【大混戦セ・リーグ】ペナントの命運を握るのは5番打者⁉︎ 小笠原道大が上位4球団を徹底解説 (3ページ目)
── 坂倉の今後をどう見ますか。
小笠原 優勝争いのなか、ポジションは別として、打者として必要だから5番を任されていると思います。近い将来、古田敦也さん(元ヤクルト)、城島健司(元ソフトバンクほか)、阿部慎之助(現・巨人監督)らに続く、"球界を代表する打てる捕手"の道を歩むと思います。
【坂本勇人に5番を託したい理由】
── 巨人の5番は、大城卓三選手と坂本勇人選手が交代で務めています。
小笠原 大城は、規定打席に到達した昨年ほどの怖さはありません。巨人打線は、1番の丸佳浩、3番の外国人選手(エリエ・ヘルナンデス、ココ・モンテス)、4番の岡本は不動ですが、ほかは試行錯誤しながら組み替えています。(坂本)勇人が6、7月と不振だったので、なかなか5番が落ち着かないのが現状でした。
── 坂本選手と大城選手が同時に出場する場合は、5番に大城選手、6番に坂本選手のパターンが多い気がします。
小笠原 一緒にプレーしてきたので、少し贔屓目なところがありますが、実績からすると勇人を5番に置くほうがベターな気がします。勇人は8月25日の中日戦で大野雄大から値千金の2ランを放ち、菅野智之に勝ち星をプレゼントしました。緊迫した状況のなか、ひと振りで決める力が勇人には備わっています。
── 大城選手に5番は、まだ荷が重いのでしょうか。
小笠原 バッティングの技術はすばらしいものを持っていますし、攻守においてチームを引っ張っています。ただ、勇人が体調の面で万全であれば、5番に据えたほうが相手バッテリーは脅威に感じると思います。とくにシーズン終盤の大事な局面では、ベテランの力が必要になりますから。
【阪神のクリーンアップは発展途上】
── 阪神は優勝した昨年、大山悠輔選手が全試合で4番を打ち、5番はおもに佐藤輝明選手でした。
小笠原 大山は6月に二軍落ちして、復帰後は5番に座ることが多かった。代わりに4番は佐藤が務めていました。最近になって、昨年と同じように3番に森下翔太、4番に大山、5番に佐藤に戻しました。8月31日の巨人戦で、佐藤は起死回生の逆転3ランを放ちました。やはり佐藤が打つと、阪神の得点力はグッと上がります。大山は出塁率が高いですから、佐藤の役割はものすごく重要になってきます。
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