DeNA小園健太はなぜスイーパーを習得しようとしているのか? きっかけは細川成也に打たれたタイムリー (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi

 そしてフォーク。以前よりもしっかりと落とし切ることができており、このあたりも改善の余地が見える。

「以前は縦落ちのツーシームというのか、右打者のインコース、左打者の外にシンカー気味にストンと落ちるイメージで投げていたんですけど、カーブを上から叩いて投げるようになってから、縦落ちするようになりました。昨年は精度が悪かった部分があってどうしても空振りが取れないこともあったんですけど、今年は空振りが取れていますし、しっかりと武器になっていると思います。理想を言えば、バッターから見て消えるような軌道を描ければいいなと考えています」

【新球種にチャレンジする理由】

 あらゆる面でアップデートができているようだが、4月10日のプロ初登板後に反省点も踏まえ、新たに加えた変化球がある。それがチェンジアップだ。

「フォークが落ち切らないときに、縦系の変化球がないと苦しいなと思っていたんです。実際にファームの試合でチェンジアップを投げてみると、フォークにあまり頼らなくてよくなりました。チェンジアップで奥行きを出すことで、真っすぐでバッターを差すこともできていますし、これもより精度を高めていきたいです」

 チェンジアップは投手によって"抜く"のか、それとも"腕を振る"のかで大別されることがあるが、小園はどのような意識で投げているのだろうか。

「 "抜く"チェンジアップというのが苦手で、なかなかうまくいかなかったんです。そこでいろいろ自分で調べてみると、J.B.(ウェンデルケン)のチェンジアップがサイドスピンをかけて落とすようなイメージで、それをやってみたら意外としっくりときたんです。ただ、J.B.と同じようなサイドスピンをかけるとピッチングが崩れてしまうので、頭のなかではサイドスピンをかけつつも、実際そこまではかかっていないイメージですね」

 速度帯は真っすぐよりも8〜10キロ程度のマイナスなので、チーム一の使い手である濱口遥大のように緩急と落差で勝負するチェンジアップというよりも、小園いわく「"チェンジ・オブ・ペース"といった感じです」とのことだ。

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