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好調ソフトバンク投手陣を攝津正が分析 先発転向の2年目右腕は「やれると思っていた」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【10ゲーム以上離れていても「油断はできない」】

――抑えのロベルト・オスナ投手はいかがですか? 今季は失点するケースが目立ちます。

攝津 開幕当初よりは状態が少し上がっていると思いますが、昨季までのいい時の状態に比べるとよくありません。ここ最近の球速は150km台後半が出てきていますが、球速の割にバットに当てられていますし、得意のカットボールでもあまり空振りがとれなくなっています。

 今までだと、バッターがカットボールを「真っすぐだ」と思って打ちにいって空振りしてしまい、「あれっ?」っていう感じの反応をしていたのですが、そういうことも見られなくなりました。ただ、やってもらわないといけないピッチャーのひとりですし、より状態が上向いていけばいいですね。

――2位のロッテと11ゲーム差と大差をつけていますが、どう見ていますか?

攝津 数字を見るとだいぶ有利なのですが、過去にソフトバンクは10ゲーム以上の差をひっくり返されたこともありますし、油断はできません。

――2016年、最大11.5ゲーム差をつけていた日本ハムに逆転されました。当時の攝津さんの心境やチームの雰囲気はいかがでしたか?

攝津 自分も含め、みんな「いける」と思っていたでしょうし、「まさか」という感じでした。ソフトバンクのチーム状態が悪くなったわけではなかったのですが、日本ハムの勢いがとにかくすごかったんです。今季も現段階では有利であることは間違いないのですが......まだ70試合以上も残っていますし、そういう可能性がゼロではないですから、気を抜いてはいけません。

(野手編:柳田悠岐がいなくても好調のソフトバンク野手陣 今後「警戒すべきチーム」に挙げたのは?>>)

【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)

1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後、社会人のJR東日本東北では7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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