好調ソフトバンク投手陣を攝津正が分析 先発転向の2年目右腕は「やれると思っていた」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

攝津正インタビュー 前編

好調ソフトバンクの投手陣分析

 2位のロッテに11ゲーム差(6月26日時点、以下同)をつけ、パ・リーグの首位を独走中のソフトバンク。この強さの要因はどこにあるのか。ソフトバンクで5年連続開幕投手を務めるなどエースとして活躍し、2012年には沢村賞をはじめとする数々のタイトルを獲得した攝津正氏に、リーグトップのチーム防御率2.22を誇る投手陣について聞いた。

先発に転向し、ソフトバンク投手陣を支える大津亮介 photo by Sankei Visual先発に転向し、ソフトバンク投手陣を支える大津亮介 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【奮闘する先発陣の評価】

――ここまでリーグ戦、交流戦を通じて好調を維持しているソフトバンクですが、強さの要因として挙げられることは?

攝津正(以下:攝津) やはり先発陣の奮闘でしょう。試合を作れる先発陣がある程度揃っているので、同一カード3連戦で負け越すこともそれほどありません。それと、有原航平がカード頭の試合で投げていますが、そこで勝てていることが大きいのかなと。今季は東浜巨の調子もいいですし、先発に転向したイバン・モイネロと大津亮介もしっかり働いていますね。

――攝津さんは東浜投手の状態について、キャンプの時から高く評価されていましたね。昨季と比べてどこがいいですか?

攝津 かなり真っすぐがよくなりました。あまり勝ちはついていませんが(3勝1敗、防御率2.66)、ピッチングの内容は非常にいいです。交流戦の(5月30日の)巨人戦では5回6失点(自責点5)と打たれてしまいましたが、その前に投げた(5月5日の)西武戦から中24日も空いていましたからね。

 ローテーションのやりくりがもう少しうまくいけば、勝ち星が伸びると思うんです。ただ、それは故障をさせないための起用法なのかもしれませんが。カーター・スチュワート・ジュニアらも起用しながら、先発陣の登板間隔を空ける工夫をしていますよね。

――3年ぶりにソフトバンクに復帰した、倉野信次一軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターによるピッチャー陣の運用をどう見ていますか?

攝津 先発ローテーションを、無理に中6日で回そうとしていませんね。シーズン全体を見据えてだと思いますが酷使していませんし、実際に故障者も少ないです。中6日で回っているのは有原とモイネロぐらいじゃないですか。6連戦が少ないという、今季のここまでの日程も影響しているとは思いますが。

――先ほど大津投手の名前を挙げていましたが(防御率2.30、5勝3敗)、攝津さんは昨年のルーキーイヤーから高く評価されていましたね。

攝津 そうですね。先発に転向してもやれると思っていました。球種が豊富で緩急をつけられますし、打たせて取ることもできる。ピッチングスタイルが先発向きだと感じていましたし、投げるスタミナもあります。QS率(88.9)も高いですよね。チェンジアップもかなり効果的でピッチングの幅を広げていますね。

 先発はペース配分を考慮する分、リリーフの時よりも球威が落ちるかなと思っていたのですが......球威は落ちていませんし、リリーフの時と同じように投げています。

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プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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