阪急・オリックス一筋46年 松本正志が選出した「投手ベスト5」「打者ベスト5」 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi

── 今季は山本由伸投手、山崎福也投手の抜けた穴を誰かが埋めなくてはならないのですが、次から次と新しい戦力が出てくるイメージがあります。

松本 用具室に来た人と「チームが困ったとき、宮城大弥は頼りになる男だ。秘めているものの大きさを感じるな」と、いつも話していました。このまま順調にいけば、将来、間違いなく「ベスト5」に名を連ねる投手に成長してくれるでしょう。また昨年の開幕投手、新人王に輝いた山下舜平大にも可能性を感じます。

── オリックスは、個々の投手のパワー溢れるスピードボールに目を奪われます。

松本 私の仕事場だった用具室は選手ロッカーとトレーニング室の間にあるのですが、舜平大や東(晃平)はずっとトレーニング室にこもっていました。選手を獲得してくる編成部もすごいですが、小林宏二軍監督をはじめ、選手を育成するスタッフもすばらしい。好調な選手をすぐ起用し、使い切る中嶋監督との連携がいいのではないでしょうか。私の現役時代は、どこの球団も指導者に強制的にやらされる部分がありましたが、中嶋監督は自主性を重んじ、好調な選手にはしっかりチャンスを与えます。そうなると選手たちのモチベーションも上がりますし、相乗効果となって好結果につながったのだと思います。


松本正志(まつもと・しょうじ)/1959年4月2日、兵庫県生まれ。77年、東洋大姫路高3年夏の甲子園で全国制覇。同年秋のドラフトで阪急(現・オリックス)から1位指名を受け入団。1年目から一軍のマウンドを経験し、ジュニアオールスター、日本シリーズにも起用された。80年にプロ初勝利を挙げるも、その後は故障もあって登板機会に恵まれず、87年に現役を引退。 引退後は用具係としてチームを陰で支えた。今年3月末、定年により退職した

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