ロッテ吉井理人監督も反省した「継投ミス」を清水直行はどう見た?「『誰が打たれるか』はとても大事」 (2ページ目)
――たとえば、リードした試合や同点の試合終盤で投げることが多い、西村投手や澤田投手(ともにひとつ前の登板は4月16日の西武戦)らが打たれるのとでは意味合いが違うということですか?
清水 そうですね。西村や澤田が打たれても、チームは「仕方がない」となるでしょう。また、「この試合は絶対に勝ちにいくんだな」という指揮官からのメッセージが野手に伝わります。それは昨季の実績、現状のピッチャーたちのポジションによるもので、野手やチーム全体もそれを理解しているはずなので。
【重要な「勝負所の見極め」】
――4月19日の日本ハム戦での八木投手は、7回の1イニングを投げて2失点でした。
清水 レイエスに打たれたソロ本塁打は仕方がないとして、その後に繋がれて同点にされている。結果論にはなりますが、追いつかれる前に手を打つべきだったかもしれません。ただ、今季は「ひとりのピッチャーが1イニングを投げ切る」という形でやってきているので、イニングの途中で交代させる準備をしていなかったのかもしれません。そこは、現場を見ているわけではないのでわからない部分です。
監督や投手コーチは、「このピッチャーをこの試合のここで」とか「この日は休ませて」などといったプランを立てていると思います。でも、ペナントレースは"生き物"なので、プラン通りにいかないことも多々あるでしょう。
――プランの遂行も重要ですが、一方で勝負所の見極めも重要?
清水 勝負所は、前もって設定できるものではありません。「長いシーズンの1試合」と思っていた試合が、シーズン終了後に振り返った時、「あの試合が勝負所だったな」となることも多々あります。なので勝負所の見極めは重要ですし、そういう場面だと思ったらシーズンの序盤であっても、プランを崩して同じ投手を3連投させることもあってもいいのかなと思います。
――吉井監督は日本ハムに3連敗した試合後、「この流れを作ってしまったのは、初戦(19日)の私の継投ミスからだと思う」と話していました。
清水 確かに、悪い流れを作る采配のひとつになってしまったのかもしれません。それと、9回に登板した横山が先頭の清宮幸太郎に二塁打を打たれ、その後に犠打で一死三塁とされた場面。申告敬遠をふたつ出して満塁策をとりましたが、結果は押し出しでサヨナラ負けとなりました。塁を埋めて満塁にすることで野手は守りやすくなりますし、策としてはアリだと思っていましたが、一度相手に傾いた流れを取り戻すのは大変です。
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