高木豊は衝撃デビューの西武左腕を絶賛「非の打ちどころがない」 他のパ・リーグ注目ルーキーは? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――ほかに目についた野手のルーキーは?

高木 キャッチャーの進藤勇也(日本ハム・ドラフト2位)です。キャンプを視察した時にも見ましたけど、とにかく肩がいい。それと、触れ込みでは"打てるキャッチャー"ということでしたが、確かにセンスを感じます。

 日本ハムはキャッチャーを固定せず、さまざまなキャッチャーを起用していますから、一軍で起用される日も遠くないかもしれません。守備面はもちろん、いかに打ってアピールできるかがポイントになりそうです。キャッチャーは信頼されるまでに時間がかかるポジションですが、早く頭角を現しそうな感じはします。

 日本ハムではドラフト3位の外野手、宮崎一樹にも注目しています。キャンプのフリーバッティングを見た時はよかったですが、粗さも目立っていました。日本ハムの外野には松本剛や万波中正がいて、今年はそこにスティーブンソンが入っていますし、なかなかチャンスは少ないかもしれませんね。

【西武・武内のほかにも楽しみな左腕】

――ピッチャーはいかがですか?

高木 武内夏暉(西武・ドラフト1位)は抜群にいいです。球威も制球もよくて、球速も150キロ台中盤。カットボール、ツーシーム、フォーク、チェンジアップ、スライダー、カーブと球種も多彩ですし、非の打ちどころがありません。真っすぐでもスライダーでもフォークでも三振が取れる即戦力ですね。昨季にひと皮むけて安定感が出てきた西武の隅田知一郎は、1年目の2022年は苦しみましたが、武内はあまり苦労せずに白星を積み重ねていけそうな気がします。

 ただ、条件としてはバッター陣がある程度打ってくれること。ピッチャーを育てるにはチームの打撃力が必要ですし、当然ですが打てないと勝てません。4番候補のヘスス・アギラーは125kgの巨漢ですが、パワーだけでなく柔軟なバッティングをしますから、昨季よりは打線が点を取ってくれるんじゃないかと見ています。

――西武では、ドラフト7位の糸川亮太投手も一軍デビューを果たしています(3月31日の楽天戦)。

高木 彼もいいですよ。マウンドで落ち着いていますし、決め球のシンカーがすばらしい。ソフトバンクとのオープン戦では中村晃やアダム・ウォーカーから落差のあるシンカーで三振を取っていましたが、甲斐野央らとともにリリーフ陣を支えるピッチャーのひとりになりそうです。

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