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西武・平良海馬は日本プロ野球の最先端を走る投手 最新理論は「アウトコース低めを狙うのはまったく意味がない」 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

── 同じ「スライダー」と分類される球種でも、今井投手と平良投手のスライダーでは、軌道として落ちるかどうかが空振り率につながっているのですか。

「そうですね。僕のスライダーは横に大きく曲がるけど、今井さんのスライダーはあまり横に曲がらなくて、少し速い。でも、カットボールより速くないというところで、そこをマネしているだけですね」

── 習得までのアプローチとしては、ラプソードで球質を計測しつつ、ハイスピードカメラで指先を録画して微調整していくのですか。

「ハイスピードカメラで撮って、それを自分の感覚に落とし込むっていう感じですね」

── インタビュー日は3月13日ですが、現在のジャイロスライダーの安定度はどうですか。

「もう試合でしっかりコントロールできています。回転軸も安定していますね」

── もう満足のいくレベル?

「そこまで来ていますね」

── 先発転向した昨季、「思ったよりも三振が取れなかったという感覚が残っている」と話していました。昨シーズン中には「三振を全部取りにいくと球数がかさむ」という話をしている時もありましたが、基本的な考え方として全打者に三振を狙いにいくのですか。

「基本、三振を狙いにいったほうがやっぱりいいですね。三振ってそもそも打球が飛ばないので、失点するリスクが一番低い。だから三振を取りにいきたいです。球数がある程度かさむ部分もあるけど、しっかり狙っていきたいなって思っています」

── 三振を3球で取れれば、かさむといっても限られていると?

「3球なので。そういうことですね」

── 基本は3球勝負ですか。

「もちろん3球勝負です」

── ピッチングでは、「ストライクばかり投げるのではなく、際どいコースを突いて振らせろ」という考え方も伝統的にあります。現在の平良投手のボールがあれば、それはやらなくてもいいですか。

「やらなくていいですね、まったく。だって、そういうデータが出ているので。たとえば『アウトコース低めの出し入れ』とよく言われると思いますけど、それを何のためにするのかっていうところですね。意図があるならいいと思うけど、僕のなかではストレートをアウトコース低めに投げてもあまり空振りを取れないですし、やる意味がないっていうところです」

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