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星野伸之が見た阪神投手陣 変則右腕や19歳左腕、クローザー候補の新外国人らの評価は?

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

 昨年はリーグトップのチーム防御率(2.66)を誇った阪神。盤石のピッチャー陣がリーグ優勝と日本一の大きな原動力となった。今年もそのメンバーは健在だが、岡田彰布監督は「投打ともに新しい戦力が出てこなければ連覇は難しい」と警鐘を鳴らす。

 長らくオリックスで活躍したのちに阪神でもプレーし、引退後の2006年から2009年まで阪神の二軍投手コーチを務めた星野伸之氏に、キャンプやオープン戦などで見た今季の阪神のピッチャー陣について聞いた。

岡田監督も大きな期待をかける門別啓人 photo by Sankei Visual岡田監督も大きな期待をかける門別啓人 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【リリーフで注目の変則右腕】

――阪神の春季キャンプを視察した際、ピッチャー陣で印象に残ったのは?

星野伸之(以下:星野) 自分が行ったのはキャンプ中盤(2月中旬頃)だったのですが、一番印象に残ったのは西勇輝です。コンディションもよさそうでしたし、いいボールを投げていました。審判も困るぐらいストライクとボールの際どいところへ投げていましたし、コントロールがめちゃくちゃよかったです。

 青柳晃洋も見ましたが、コントロールや球威はまずまずかなと。スライダーを入念に確認しながら投げていたのと、真っすぐもけっこう投げていました。村上頌樹は昨年のいい時に比べるとまだまだかなと思いましたが、それでも指にしっかりかかったボールはすばらしいですし、これから状態を上げていけばいいのかなと。ピッチャー陣は総体的にいいボールを投げていたと思いますよ。

――3年目の岡留英貴投手も評価を上げましたね。春季キャンプで連日のようにアピールし、先発した3月10日の巨人戦では2回1安打無失点と好投しました。

星野 入団したばかりの頃は荒れ球の印象があったのですが、ブルペンで見た時は非常にコントロールがよくてまとまっていました。ブルペンでの安定感が、そのまま試合でも出せていると思います。

――岡留投手の変則の投球フォームをどう見ていますか?

星野 腕の位置が低く、サイドスローのようでサイドスローではない、という投げ方ですね。当初は、その投球フォームがコントロールの乱れにつながっているのかなと思っていましたが、投球フォームは変えずに制球力を向上させました。相当努力したんでしょう。

 阪神は現状でも十分にリリーフ陣の層が厚いですが、彼のような変則のピッチャーが入ってくれるとバッターの目線を変えることができますし、リリーフ陣にバリエーションが生まれます。

リリーフでは桐敷拓馬も、ボールに非常に力がありましたし、コントロールも安定していました。本当に層が厚いですね。

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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