星野伸之が見た阪神投手陣 変則右腕や19歳左腕、クローザー候補の新外国人らの評価は? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【岡田監督も期待の左腕は「19歳とは思えない」】

――注目の左腕・門別啓人投手はどう見ていますか?

星野 やはり、岡田監督が期待するだけのピッチャーだなと。球威もコントロールも申し分ないですし、球速も150kmを超えてくる。19歳とは思えない落ち着きも感じます。

 それと、投げる時に体が早く開いてしまうと、バッターが球の出どころを見やすくなったり、コントロールがばらついたり、球威が落ちてしまったりするのですが、彼は体が早く開く心配がない。体をひねる動作を含めて投球フォームが常に安定しています。

 岡田彰布監督に「フォアボールで崩れることはなさそうですね」と話したら、「そりゃそうやな」と言っていましたし、首脳陣の評価も高いと思います。自分が視察したのは選手たちに疲れがたまってくるキャンプの中盤だったのですが、それでもいいボールを投げていましたからね。

 ただ、(2月17日の)楽天とのオープン戦で登板した時には疲れが見えました。球速は140km台中盤でしたし、コントロールも多少ばらついていた。それでもフォアボールを出さなかったところは門別の長所ですし、ストライクをいつでも取れるような雰囲気がありますね。

――右バッターの内角に食い込むクロスファイヤー(利き腕と対角線上のコースに投げ込む真っ直ぐ)も持ち味ですね。

星野 クロスファイヤーは高校時代からすごく練習していた、と聞いていましたが、本人も自信を持っているだけあって精度は高いと思います。ピッチャープレートの一塁側を踏んで角度をつけて投げていますが、右バッターは対応に苦しむでしょう。

 スライダーもいいです。楽天戦では辰己涼介らからスライダーで三振を取っていましたが、「振らせるスライダー」と「カウントを取るスライダー」がありますね。カーブやツーシームも投げるみたいですけど、まずは球威のある真っすぐとスライダーを磨いていけばいいのかなと。今年、どれぐらい登板機会があるかはわかりませんが、間違いなく一軍の戦力になるでしょうね。

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