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星野伸之が見た阪神投手陣 変則右腕や19歳左腕、クローザー候補の新外国人らの評価は? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

【新外国人のゲラの評価は?】

――新外国人のハビー・ゲラ投手はいかがですか?

星野 当初は制球に難があるという話もありましたが、まとまっていましたし、2月の後半くらいから150km台中盤を出していたのがすごい。スライダーやカットボールの切れ味もいいですし、クイックやけん制も問題ありません。クローザー候補として岩崎優と争っていけそうです。

 心配なのは湯浅京己です。試合形式で投げていた際、球速は154kmが出ていたのですが、ボールが垂れてしまっていた。今までの投球フォームは足を上げた時に1回止めていたのですが、それをやめましたよね。それと、テイクバックをコンパクトにしたのですが、足の動作を含めて2カ所変えている。投げる時のタイミングやバランスをうまくとれるようになるまで、時間がかかると思います。

――ゲラ投手はセットアッパーではなくクローザーでの起用になりそうですか?

星野 そうなる可能性は十分にあると思いますし、岩崎とのダブルクローザーも考えられます。昨年はクローザーの岩崎につなぐまでにいろいろなピッチャーをやりくりしていましたが、岡田監督のイメージだと、後ろの3イニングは軸となるピッチャーをきっちり決めたいんじゃないかなと。

 その候補のひとりだった湯浅がピリっとしないので、そこに岡留、桐敷が入ってくるのか。ほかにも岩貞祐太や島本浩也、石井大智ら何人か候補はいますね。オープン戦の内容を見て役割を決めていくと思いますが、やはり昨年との違いはゲラの存在。オープン戦でも期待通りの結果を残していますし、彼の存在はブルぺンにとって非常に大きいと思います。

【プロフィール】
星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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