山川穂高の加入でホークス打線はどう変わる? 五十嵐亮太があえてキーマンに挙げた選手は? (3ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi

── 飛躍の可能性は感じられますか?

五十嵐 十分感じられると、僕は思いますね。というのも、昨シーズンの終盤あたりから、バッティングの状態が上向いているように感じられるんです。反対方向にも強い打球を打てるようになっていたし、淡白に凡打することも減っていました。「何としてでも食らいつく」という意識が強くなってきたからこそ、去年の9月・10月度の月間MVPも獲得できたわけですから。

── 育成出身の野手としては初となる月間MVP獲得となりましたが、シーズンを通じて活躍するとなると、周東選手の「足」は他球団にとってもかなりの脅威となりますね。

五十嵐 彼の場合、シングルヒットはツーベースヒットみたいなものですからね(笑)。周東が塁に出てピッチャーにプレッシャーを与えて、大きく空いた一、二塁間を2番の近藤が引っ張ってライト前に運ぶ。簡単に一、三塁の場面ができあがりますからね。

── あらためて最後に、今年のホークスの見どころを教えてください。

五十嵐 戦力的には、投打ともに優勝してもおかしくないメンバーが揃っています。そうなると、あとは監督次第です。前編でも言ったけど、小久保監督が目指している「美しい野球」を選手たちが、どのように理解して試合に臨むことができるのか? その点には注目しています。

── 侍ジャパンの監督時には「エースや4番への絶対的な信頼」を表明していました。「少々の不調では代えない」という選手起用もありました。

五十嵐 きっと、小久保監督自身が、現役時代に当時の王貞治監督から、そのような信頼を受けていたからでしょうね。監督からの信頼というのは選手にも伝わりますから、それを意気に感じて、選手たちが頑張れるかどうか。ただ、長いペナントレースでは選手起用や采配における柔軟性がポイントになることもあります。その判断を誤ると、思ってもみなかった苦境に陥ることもありますからね。

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