検索

侍ジャパン入りの可能性も 広島カープ3年目・田村俊介がポスト西川龍馬へ名乗り (3ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun

 左手の治療に専念させながらでもキャンプに参加させたのは、期待の証し。近年、若手にとって秋季キャンプ参加が、翌春の一軍キャンプ参加の最低条件となることも影響したのかもしれない。

 そんな球団の思いに、田村はしっかりと結果で応えた。キャンプ期間中の紅白戦で内容ある打撃を示し、侍ジャパンとの練習試合では3打数2安打。相手はともに左腕の及川雅貴(阪神)と抑えの田口麗斗(ヤクルト)だった。

「左ピッチャーに対しての入り方がすごくいい感じになってきた。1年目は左ピッチャーがすごく嫌だったんですけど、全然嫌じゃなくなって。一軍に上げてもらって左ピッチャーからヒットも出ていますし、長打も出た」

 今季の広島もレギュラー格に左打者が多くいるなか、田村も左打ちだが、左投手を苦にしない。昨季、二軍では左投手との対戦では打率.242(対右投手は.297)だったものの、一軍では左投手に対して5打数3安打で打率.600(対右投手は17打数5安打、打率.294)だった。侍相手にも示した強みに、胸を張った。

 2年目を終えたばかりの昨年11月末、田村からはすでに新シーズンへの高ぶる思いが溢れていた。

「僕自身も楽しみ。もっとやれそうな気がする。もっともっと、いろんな人に見せたい気持ちがある」

 西川の移籍や侍候補入りで知らぬ間に周囲の期待値は高まっている。どれだけ周囲が騒がしくなろうとも、本人は冷静さを貫く。

「そこまで気にしていない。どういう状況であろうが、早くレギュラーを獲りたいし、試合に出たい」

 きっぱりとそう言いきれる強さこそ、大きな期待を受ける理由なのかもしれない。

著者プロフィール

  • 前原 淳

    前原 淳 (まえはら・じゅん)

    1980年7月20日、福岡県生まれ。東福岡高から九州産業大卒業後、都内の編集プロダクションへて、07年広島県のスポーツ雑誌社に入社。広島東洋カープを中心に取材活動を行い、14年からフリーとなる。15年シーズンから日刊スポーツ・広島担当として広島東洋カープを取材。球団25年ぶり優勝から3連覇、黒田博樹の日米通算200勝や新井貴浩の2000安打を現場で取材した。雑誌社を含め、広島取材歴17年目も、常に新たな視点を心がけて足を使って情報を集める。トップアスリートが魅せる技や一瞬のひらめき、心の機微に迫り、グラウンドのリアルを追い求める

フォトギャラリーを見る

3 / 3

キーワード

このページのトップに戻る