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ソフトバンク・小久保裕紀新監督に聞く「なぜ3年間優勝できなかったのか?」 チームが「ちょっと緩んでいたというのが正しいのかな」 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro

【応援してもらえる選手に】

── 会見後は秋季キャンプも行ないました。短期間でしたが選手に変化は感じましたか?

小久保 秋のキャンプは若い選手が多かったので、変化というのはそれほど感じませんでした。というよりも、二軍監督の頃からファームで一緒にやっていた選手たちには求めていたこと。そのあたりをわかっている選手が多かった。

── それはどういったところで感じましたか。

小久保 たとえばウォーミングアップで、フライングもなくマーカーからマーカーまできっちりやる。これは2年間、チームのテーマにしていました。秋季キャンプでも1日の始まりのアップという点では、非常に美しいものがあったと思います。ただ、若手の彼らにすれば、ずっとやってきたことをやり通しているだけなのでしょうけれど。

── 二軍監督に就任した当初、若手のウィーミングアップに苦言を呈されていました。それ以外にも飲みかけのペットボトルが放置されていて、叱っていたのを覚えています。

小久保 ペットボトルは気を抜くとすぐ増えたりするんですけど......。ただ以前は筑後にある寮と室内練習場をつなぐ通路にスリッパが散乱していたのですが、それはもう見られなくなりました。寮は団体で生活する場所であり、「自分さえよければ」という人がいるだけでうまく回らない。それにそんな選手を、清掃担当の方や食事担当の方、グラウンドキーパーといった方が心の底から応援してくれるでしょうか。そういうことも含めて、すべて"美しさ"につながると思うんです。応援してもらえる選手であるために何をすべきかを考えれば、振る舞いや言動は自ずと意識するようになると思います。

【王イズムの継承も使命】

── 常勝チームと言われたホークスが3年間優勝を逃しています。勝てなかった理由がどこにあったと思いますか。

小久保 細かい話をすると戦術的なところになるんですけど、もうひとつは組織が大きくなりすぎたこともあるかもしれません。ホークスは一軍から四軍まであり、たくさんの部署もあります。スタッフを含め、全員が優勝のために動けていたのか。自分の担当部門だけよかったらいいとか、あまり変化をしないほうが居心地いいとか......そのような反省は必要だと思います。

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