1年春のリーグ戦で4本塁打と衝撃の大学デビュー 青山学院大・佐々木泰は2024年ドラフトで上位指名されるか (3ページ目)
佐々木の言う「シモさん」とは1学年上の下村海翔(阪神1位)のこと。「ツネさん」は常廣羽也斗(広島1位)である。下村は今春リーグ戦直前まで状態が上がらず、同期でドラフト上位候補と騒がれる常廣に対して強い劣等感を抱いていた。それでも、最終的には常廣を上回る安定感と完成度でスカウト陣の評価を高め、ドラフト1位指名を勝ちとっている。
なお、佐々木と下村には「サウナ」という共通の趣味があり、行きつけの温泉施設に一緒に通っている。佐々木は「心も体もめちゃくちゃリラックスできます」と効用を語る。下村のプロ入りを祝して、佐々木はサウナハットをプレゼントしたという。
12月1日から3日間、愛媛県松山市で実施された大学日本代表候補強化合宿に佐々木は西川とともに招集された。初日の打撃練習では、広い坊っちゃんスタジアムでサク越えを連発。翌2日の紅白戦では2点タイムリー安打を放つなど、持ち前の長打力と勝負強さを発揮した。
佐々木、西川だけでなく、大学3年生以下には右の強打者が多い。同じく来年のドラフト上位候補に挙がる渡部聖弥(大阪商業大3年)に、ほかにも藤澤涼介(横浜国立大3年)、立石正広(創価大2年)、清水智裕(中部大3年)らが合宿中に快打を放ってアピールしている。
大学日本代表の堀井哲也監督(慶應義塾大)も、「いい右バッターが多い」と認めている。
「過去の国際試合を見ても、右投右打の選手が重要な役割を持っていると感じます。我々もその点を意識して(代表候補として)集めているので、期待しています」
佐々木の成長は、来年の大学日本代表の成功にも結びつくはずだ。残された課題は明確。「確実性」に尽きる。
「ずっと言われてきていることなので、この冬になんとか頑張って『これ』というスイングに固定したいです。スイングが波打つのは自分の難点でもあり、うまく扱えれば飛ばせる長所でもあると思います。試行錯誤しながら、ちょうどいいバランスをとっていきたいです」
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