元阪神・伊達昌司はなぜ高校教員になったのか 「甲子園で投げるより緊張する」瞬間 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

── 元プロ野球選手ということもあり、都立の甲子園出場校に赴任してきたのでしょうか。

伊達 江戸川高、府中西高、雪谷高とも、とくに「野球を求められた」感じではなく、野球部助監督や部長など、サブ的なポジションでした。雪谷高で初めて監督を引き継いで、2年半になります。

── 雪谷高校は「公立校で甲子園を目指したい生徒」が入学してくるのですか。

伊達 部活動だけでなく、勉強も学校行事も頑張っていく「文武両立」が校訓です。僕自身も生徒のモチベーションを上げながら頑張っていきたいです。

── 部員数はどれくらいですか。

伊達 現在は2年生16人、マネージャー4人、1年生16人、マネージャー3人です。練習は平日2時間、週3日。もう1日はトレーニング。土日はどちらかが試合です。

【野球で得た経験を人生の糧にしてほしい】

── 雪谷高校は2003年に甲子園出場、09年は東東京大会準優勝した都立の名門です。

伊達 19年4回戦、20年は2回戦、21年2回戦、22年3回戦、23年2回戦......21、22年はいずれも強豪の修徳高に敗れました。ただ、そういう壁を乗り越えなくてはいけません。都立の甲子園出場校ということで、もちろんプレッシャーはありますが、生徒たちの成長する姿を見るのが本当にうれしい。先日、秋季大会に負けましたが、部員たちに自主性が生まれたのを見て、「湧き上がるエネルギー」を頼もしく思いました。

── 甲子園出場は果たせていませんが、昨年は渡邊顕人選手(現・富士大)、今年も御園拓摩選手とプロ注目の投手を育てられています。

伊達 野球のセオリーやトレーニング方法に関しては、具体的な経験値がある分、生徒に納得してもらえるのかもしれないですね。

── 元プロ野球選手が指導する高校と練習試合を組んだりは?

伊達 川俣浩明先生(ロッテほか→藤沢翔陵高)や内田和也先生(ヤクルト→立正大立正高)にお願いしたことがあります。

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