巨人がドラフト1位で獲るべきはアマNo.1捕手 3位以下はファームで鍛えたい選手を

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略2023〜巨人編

 プロ野球の一大イベント、ドラフト会議が10月26日に開催される。今年の傾向を見ると、今までにないくらい大学生投手に逸材が集まっている。数年後のチームの運命を決するドラフト。さて、各球団どのような戦略に出るのか。阿部慎之助新監督を迎え、チーム再建に乗り出す巨人のドラフト戦略とは?

アマチュアナンバーワン捕手の呼び声高い上武大の進藤勇也アマチュアナンバーワン捕手の呼び声高い上武大の進藤勇也この記事に関連する写真を見る

【経験豊富な大型捕手を1位で】

 3期、通算17年にわたり巨人を率いた原辰徳監督が勇退し、阿部慎之助監督に代わった。就任直後のドラフト会議だけに、新監督の意向がどれだけ反映されるのかわからないが、今年の巨人が獲得したいのは、報道されているように「大学生投手」ばかりではない。それよりも、最優先に補強すべきは"捕手"である。

 もちろん、巨人には今季レギュラーマスクを被り続けた大城卓三がいる。134試合に出場し、打率.281、16本塁打、55打点......年々キャリアハイを更新して、来季で7年目。脂の乗りきった時期であろうが、ディフェンス面、とくに配球、リード面で疑問を投げかけたくなるケースが何度かあったように思うし、関係者からもそのような話を聞いたことがある。

 大城を見ていると、彼は「バットマン」ではないかと思う。たとえば、一塁を守らせたら、3割、30本塁打の能力を秘めているのではないか。「打」に専念すれば、タイトルだって可能だと見ている。

 捕手は即戦力というわけにはなかなかいかないポジションだ。そしてプロで複数年、レギュラーを担える捕手も、そうは現れない。いる時に獲っておかないと、あとで困ることになる。

 ならば、今年は捕手から。

 進藤勇也(上武大/182センチ・90キロ/右投右打)は1位でないと獲れない捕手だ。たしかに、今年のドラフトは「大学生投手」のドラフトと言っても過言ではないほど、逸材が揃っている。まず大学生の投手をひとり確保してから、進藤を2位で......そんなプランも考えたくなるが、巨人はウェーバーとなる2位指名の順序が5番目。巨人の前に中日、日本ハム、ヤクルト、西武が控えていて、その4球団とも将来のレギュラーマスクが見えていない状況だ。早々と進藤を指名してくる可能性は十分に考えられる。

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