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オリックスはなぜこんなにも強くなったのか? 阪急レジェンドOBが徹底分析 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Sankei Visual

70年代の阪急黄金期を支えた山田久志氏(写真左)と福本豊氏70年代の阪急黄金期を支えた山田久志氏(写真左)と福本豊氏この記事に関連する写真を見る

【京セラは女性ファンでいっぱい】

── 福本さんも若手の頃、レギュラーとして試合に出続けたいという思いは強くありましたか。

福本 僕の場合はドラフト7位で入って、レギュラーどうこうという選手やなかったからね。初めは外野の一軍枠が5つなら、なんとか5番目でええから入りたい。そこを目指して必死にやってました。そしたら2年目にレギュラーだった矢野(清)さんがケガで離脱して、5月頃から先発で使ってもらうようになって、そこからポーンといったんです。

── つかんだものは絶対に離さないと。

福本 先輩からは「一回つかんだら絶対に離すなよ」と言われましたね。一方で、コーチからは「まだおまえはレギュラーと違うぞ。代わりはなんぼでもおるからな」って。打てない日は、「今日タコ(ノーヒット)やから、明日外されるんちゃうか」と思うて、必死にバット振ってましたね。

山田 福本さんも1番に座るまで苦労したけど、「よし、1番は福本」ってなったら、そこからは仮に20打席ノーヒットでも外れないようになった。オリックスでも吉田くらいになれば、当然固定でしたから。

福本 でも、オリックスのベンチを見てもみんな明るいし、不満とかはないかもしれんね。

山田 今の若者の気質も大きいんじゃないかな。我々の時代は、誰よりも成績を残して稼ぎたい。そのためには1年間通して数字を残さないと......というのがあった。でも、今の若者はそういう欲が薄いんじゃないかな。だからオレらの時代は、勝って喜んでいるのは、試合に出ている9人だけで、あとは不満分子があちこちにいたと思う。今は「みんなで勝とう」という感じで、一軍と二軍の意味合いも以前とは違ってきている。

福本 昔はファームに落とされたら、「もう上がってこられへんのとちゃうか」ってガクッとなったけどね。

山田 オリックスは二軍に落とすという発想じゃなく、調整をさせる。そして状態が戻ればすぐに上げて使う。そのあたりはきっちり伝えているらしいので、選手も納得しているんだろうね。

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