オリックスはなぜこんなにも強くなったのか? 阪急レジェンドOBが徹底分析 (2ページ目)
山田 投手力を含めた守りに自信があるから、あとはどうやって点をとるか。中嶋にしてみたら、ここに集中して戦える。
福本 強い時の西武は潮崎(哲也)、杉山(賢人)、鹿取(義隆)らがいて、2005年の阪神のJFK(ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之)もそうやけど、うしろにいいピッチャーが揃うと相手が「もう無理や」となる。オリックスも先発が6回くらい投げて、あとを150キロ投げるのが1イニングずつ出てきたら、そらバッターはしんどいよ。
山田 それでいてリリーフ陣は、登板過多にしない。リリーフの数をしっかり揃えて、疲れがたまってくる前に休みを入れる。そういったマネジメントは見事だった。
── 仰木彬監督でオリックスが連覇した1995、96年の時も、鈴木平さん、野村貴仁さん、平井正史さんと強力リリーフ陣でした。
山田 あの時は使いすぎ。そこが一番揉めたところでね。「監督、ダメだって。この使い方じゃ、来年は持たないよ」と。何回も言ったけど、聞いてもらえなかった(笑)。まあ、休ませながら......というのは、選手がいるからできることだけどね。
【大きかった頓宮裕真の覚醒】
── 攻撃陣を見ると、チーム打率.250、本塁打109本はリーグトップですが、ほかのチームと大差なく、盗塁、四球、犠打はリーグ最少です。
福本 今年は山ちゃん(山田久志氏)が早くから「頓宮(裕真)が開花した」って言うてたけど、これが大きかった。
山田 吉田(正尚)が抜けて、マークする選手は新加入の森(友哉)と調子のいい時の杉本(裕太郎)くらいで、あとは長打の心配がほとんどない。そこに頓宮が大化けして首位打者だからね。ツボにくれば一発も打てるし、頓宮の活躍は本当に大きかった。
── そんななか、今年も日替わり打線で戦いました。
福本 「調子ええのに、なんで外すんやろ?」っていうのが結構あったからね。でも、使った選手がちゃんと打つんよ。これもまた、仰木さんの野球を思い出すというかね。
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