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阪神・岡田彰布監督はなぜ「8番ショート・木浪聖也」にこだわったのか 名コーチが解説するタイガース打線のツボ (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Koike Yoshihiro

 先述したように、木浪はチャンスメーカーにも、ポイントゲッターにもなった。木浪が出塁して、9番が送り、近本で還す。また中軸でつくったチャンスに木浪が応える。今年はこんな場面を何度も見てきた。

 シーズン前から岡田監督は打線を固定したいと言っていた。その言葉どおり、近本、中野の1・2番コンビ、不動の4番となった大山、そして8番の木浪とシーズンを通して固定することができた。

 打線を固定するのは容易ではない。しかも、機能させるとなるとさらに困難だ。だが、今年の阪神打線はある程度固定できたことでいいリズムが生まれ、ノイジーや佐藤などの中軸が不振に陥っても得点力不足に悩むことはなかった。今年の阪神打線が上位、下位関係なく得点できたのも、木浪が8番にいたからだ。

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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