1試合700杯も!? 神宮球場・人気「ビールの売り子」の販売術「お客さんとアイコンタクト」「常連さんの前は20分おき」 (3ページ目)
【イベント時は1試合700杯も】
サッポロビールを担当するはるかさんは1年目。
「もともとアイドルとかかわいい子が好きで、かわいい子がいっぱいいるから売り子の仕事を始めました」
人一倍声を出すことを心がけている彼女は、元気いっぱい。サワーを担当することもあり、最高で400杯も売り上げたこともある。
売り子1年目、元気いっぱいのはるかさんこの記事に関連する写真を見る はるかさんの持ち場は外野だが、ゆっくり観戦する客が多い内野に比べて、外野はコアなファンが多いため、「常連をつくるのが大変」なのだそう。
また、応援しているチームの攻撃中はビールの売り上げがにぶるので、守備側のチームのエリアに売りにいくなどの工夫をしている。表・裏と攻撃が入れ替わるたびに、ライトスタンドとレフトスタンドを行き来するのもなかなか大変だ。
「ビジター席だと地方からいらっしゃっている方もいますし、ふだん接することができない、いろんなご職業の方のお話が聞けるのが楽しいですね」
大変な仕事の中に楽しみを見出せるのも才能かもしれない。
それぞれのビール販売時の工夫を語ってくれたこの記事に関連する写真を見る 3人にはこの日の目標も尋ねた。
「今日は天候があまりよくないので売りづらい環境だと思うんですけど、200杯以上は売りたいなと思います」(ちひろさん)
「今日は、天候もあるのでヒャク......、大きく出て200杯!」(ももかさん)
「いつも最高記録を更新できるように頑張っています。今日は200杯以上目指して頑張ります」(はるかさん)
奇しくも3人とも"200杯"という数字で並んだ。
明治神宮野球場販売部の安留大貴さんによれば、1試合平均で1人当たりだいたい160杯、売り上げが伸びない日で120杯売れるという。多い人だと300杯も売り上げる日があり、ビール半額デーともなると最高で700杯にも上るそうだ。
この日は、親子の観客が多い「キッズプロジェクト」の開催日でもあり、そのうえ、試合前ににわか雨があり、売り上げがそんなに伸びないことが予想されていた。彼女たちが掲げた200杯という数字は妥当な目標なのだろう。
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