「岡田阪神のすごさ」をタイガースOBが語る なぜ18年ぶり優勝を果たせたのか? (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Sankei Visual

【大混戦のMVPを予想する】

── 打線はいかがですか。現時点(9月14日現在)で3割超えの選手はひとりもいませんが、得点はリーグトップです。

 先ほども言いましたが、1番、2番、4番、8番を固定できたことが大きかったですね。なかでも大山がシーズンを通して好不調の波が少なく、大山を「不動の4番」にできたことが得点力の高さにつながったと思います。大山のあとを打つ佐藤がもっと安定した成績を残していれば、得点力はさらに増したはずですが、大山がドンと4番に座ったことで相手バッテリーにプレッシャーをかけることができていたんじゃないかと。

岩田 今年に関しては、8番の木浪の働きがものすごく大きいです。チャンスで回ってくる場面も多かったですし、木浪が起点となり上位で還すという得点パターンも確立できた。7番ではなく、8番に固定できたことで打線のつながりは格段に上がりました。あとは各選手が、四球を選ぶ重要性に気づいたことも重要だと思います。四球数リーグトップの大山を筆頭に、近本、中野、佐藤がベスト10に入っています。ボール球を振ってくれないと、相手投手は四球を出したくないから際どいコースに投げづらくなる。そこで甘い球がくると1球で仕留める。そこに関しては、チームとして徹底していたと思います。

── 18年前の優勝時も岡田監督が指揮を執っていましたが、変化は感じますか。

 だいぶ変わったと思いますね。以前は、ケガ人が出ても隠したりしていましたが、今はすぐに公表するようになりました。作戦面についても、記者に話していますし、いい意味でオープンになったという印象です。

岩田 目指す野球そのものは変わっていないと思いますが、前回の優勝時と比べて選手の年齢がすごく若くなった印象を受けます。2005年の時はベテランがチームを引っ張っていましたが、今はほとんどが20代でとにかく元気。だから、夏場になってもバテることなく突っ走れたと思いますし、先発投手にしても長いイニングを投げられる。個人的には、まだまだ強くなると思いますし、黄金期に突入するんじゃないかと期待しています。

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