フレッシュオールスターMVPは出世する? 鶴岡慎也はジンクスを実感「潮目が変わった」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

今年のフレッシュオールスターで3安打3打点の活躍でMVPを獲得した阪神・森下翔太今年のフレッシュオールスターで3安打3打点の活躍でMVPを獲得した阪神・森下翔太この記事に関連する写真を見る

【賞金100万円の使い道は?】

── かつては中田翔選手や岡本和真選手がフレッシュオールスターでMVPを獲得し、それをきっかけに飛躍しました。今年は阪神の森下翔太選手がMVPに輝き、さらなる活躍が期待されます。

鶴岡 中田選手や岡本選手の活躍は、当然かなと思います。今年の森下選手にしても、MVPを狙って獲れる選手ですし、僕と違ってドラフト1位の入団です。すでにレギュラーとしてやっていますし、フレッシュオールスター後の試合を見ていても、ようやくプロの球に慣れてきた印象があります。近い将来、チームを背負って立つ存在になるのではないでしょうか。

── そのほか、フレッシュオールスターの思い出はありますか。

鶴岡 2打席目に二塁打を打ちました。3安打すればMVPは確実でしょうが、ほかの捕手も試合に出さなくてはいけない。それで打席に立つために、一塁を守らされました。岡本哲司監督(日本ハム)の気遣いを感じました。ただ、エラーしてしまいましたが......(笑)。

── ちなみに、賞金の100万円はどうされたのですか。

鶴岡 あの時は試合後すぐ解散だったので、誰かに「おごれよ」と言われることもありませんでした。運よくいただいた賞金で、親にねだられたテレビを購入しました。奮発して30万円ぐらい。ただ、MVPの賞金の振り込みは10月とか11月だったんです。支払いがやばかった記憶があります(笑)。

── フレッシュオールスターでMVPを獲ったことに関して、あらためてどんなことを思いますか。

鶴岡 獲ったあとの反響は大きかったですし、注目を浴びたことをきっかけに一軍昇格。自信になりましたし、先程も言いましたが、周りの見る目が変わってくる。そのあとも長くプロ野球の世界でやれたわけですから、私としてはジンクスを破らなくてホッとしていますし、少しでも歴史に名を残せてよかったです。


鶴岡慎也(つるおか・しんや)/1981年4月11日、鹿児島県生まれ。樟南高校時代に2度甲子園出場。三菱重工横浜硬式野球クラブを経て、2002年ドラフト8巡目で日本ハムに入団。2005年に一軍入りを果たすと、その後、4度のリーグ優勝に貢献。2014年にFAでソフトバンクに移籍。2014、15年と連続日本一を達成。2017年オフに再取得したFAで日本ハムに復帰。2021年オフに日本ハムを退団した

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