フレッシュオールスターMVPは出世する? 鶴岡慎也はジンクスを実感「潮目が変わった」 (2ページ目)
── フレッシュオールスターのMVPは賞金100万円ですが、みんなガツガツ狙っていくのですか。
鶴岡 私以外が、みんな「MVPの賞金100万円を狙う!」という意気込みだったと思います。私は「無事に終わればいいや」と、そういう野望は1ミリもありませんでした(笑)。
【野球人生初の確信歩き】
── 本塁打を打った投手は誰だったのですか。
鶴岡 中日の長峰昌司投手です。その後、セ・パ交流戦でも対戦して、何本かヒットを打つなど相性がよかったんです。いま振り返ると、フレッシュオールスターのホームランは「人生で一番の当たり」でしたね。サンマリンスタジアムのレフト上段まで飛ばしましたから。手応えもバッチリで、プロに入って初めての"確信歩き"でした(笑)。
── オールスターでは、投手はストレートを投げなくては......という雰囲気があって、どうしても「打者有利」の雰囲気があります。実際、投手のMVPは2000年の河内貴哉投手(広島)以来出ていません。
鶴岡 打者はバッティングマシンで練習できますし、最近の打者は160キロ近くのボールでも弾き返しますからね。ストレート中心の配球だと、やはり打者が有利になりますね。
── その年、フレッシュオールスターが7月末に行なわれ、9月に一軍初出場を果たします。
鶴岡 それまで一軍とは無縁でしたが、ヒルマン監督に呼ばれ2005年は4試合に出場。翌年はダルビッシュ投手の"専属捕手"的な役割をきっかけに76試合に出場することができました。そしてチームもヒルマン監督のもと、44年ぶりの日本一を達成することができました。私が現役を19年間も続けられた大きなきっかけとなったシーズンになりましたね。
── その後、鶴岡さんは一軍のオールスターにも出場しています。
鶴岡 2012年と2013年に出場しました。捕手というのは特殊なポジションですので、他球団の選手でも親近感が湧き、里崎智也さん(ロッテ)と技術的なことやキャッチャーの苦労についての話をした記憶があります。
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