新庄監督2年目の日本ハム好調の要因を鶴岡慎也が分析 「昨年の作戦が生きている」 (2ページ目)
── リリーフ陣は、中継ぎの宮西尚生投手が復調しました。
鶴岡 今季はリリーフ陣の役割分担が確立しています。宮西投手は入団以来、50試合以上登板を続けていましたが、昨年、左ヒジの手術のためストップしました。それでも今季はこれまで以上に絶好調です。「今年ダメなら引退する」と言っていたように覚悟を感じます。
── 抑えは、FA移籍した近藤健介選手の人的補償でソフトバンクからきた田中正義投手が担っています。
鶴岡 田中投手のストッパー定着が、投手陣の整備につながりました。4月26日のオリックス戦でプロ初セーブを挙げ、自身と風格が備わったように見受けました。もともと5球団からドラフト1位指名を受けた素材です。勢いに少しかげりが見えてきた6月9日の阪神戦でも、新庄監督が「全球真っすぐでホームランを打たれてこい!」と激励。開き直った田中投手は蘇りました。
翌日の試合は1点差の9回表に登板し、155キロを連発。大山悠輔選手、佐藤輝明選手、前川右京選手の強打者を封じました。9セーブ目を挙げた田中投手は、守護神としての地位を完全に築きました。
── ほかにも、リリーフ陣は昨年に比べて駒が揃っている印象があります。
鶴岡 中継ぎ陣は、右の玉井大翔投手、池田隆英投手、左の河野竜生投手らが充実しています。建山義紀投手コーチが的確な指示を各投手に与えているようです。DH制のパ・リーグにあっても、チーム防御率2.84は12球団トップです。
【新戦力加入で厚みを増した打線】
── 4月は調子が上がらない先発陣を打撃陣が支えました。
鶴岡 打線は、やはり万波中正選手の存在が大きいと思います。昨年も100試合の出場で14本塁打、40打点と片鱗を見せましたが、今季はさらなる成長で、現時点で12本塁打はリーグトップです。昨年までは「結果を出さないと交代させられる」という焦りもあったのでしょう。しかし今季は「1試合4打席」をトータルで考えられるようになりました。バッテリーとの駆け引き、配球を読むといったところができるようになってきたと思います。
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