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「佐々木朗希がどんな球を投げても打たれる状況はおかしい」高木豊がパ・リーグ6球団の交流戦を分析 気になる西武の「崩壊」状態... (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【ロッテの佐々木が打たれたのは「おかしい」】

――先ほど、楽天の小郷選手の話が出ましたが、他に交流戦で気になったバッターはいましたか?

高木 ソフトバンクの近藤健介の状態がものすごくよくなりました。シーズン序盤は苦しんでいましたが、いよいよ実力を発揮し始めた感じです。「出塁率がいいバッター」から、「勝負を決められるバッター」に印象が変わりましたね。四球の数や出塁率が落ちても、打点は日本ハム時代よりいいペースで増えていっています。嫌らしいバッターから怖いバッターになりつつあると思います。

――オリックスの頓宮裕真選手も交流戦の打率が.359、紅林弘太郎選手も同.377とハイアベレージを残しました。

高木 頓宮はタイミングの取り方が変わりましたね。(投手側の)左足を遊ばせるようになって、タイミングを取る時の"間"に余裕が生まれた。交流戦で6本ホームランを打つなど長打も出ていますし、ひと皮むけましたね。

 紅林に関しては、大卒2年目の野口智哉らが起用される時期もあったので、刺激を受けたんでしょう。中嶋聡監督が野口を使うタイミングはうまかったですよ。見事に紅林の尻に火がつきましたね。

あと、日本ハムの加藤豪将もいいですよ。交流戦の終盤は調子を落としましたが、序盤の巨人戦では2試合連続でホームランを打つなど目立っていました。メジャーのマイナーでさまざまなピッチャーと対戦した経験によって、対応力が培われたんだと思います。

――交流戦でよかったパ・リーグのピッチャーは?

高木 数字的に見ると、実力をそのまま示したのがオリックスの山本由伸(3勝0敗、防御率.0.38)。さすがでした。意外だったのは、ロッテの佐々木朗希が2敗したことです。

――佐々木投手が2敗した要因はいろいろあると思いますが、主な要因は?

高木 まず阪神には、足でやられました。盗塁され、ワイルドピッチもあり、大山悠輔にライト前にタイムリーを打たれた。次のDeNA戦で思ったのは、やはり狭い球場(横浜スタジアム)では、佐々木といえども一発を打たれるリスクが高いということです。

 あと、キャッチャーが佐々木のワンバウンドのボールを止めなきゃいけません。野茂英雄がロサンゼルス・ドジャースに移籍した時、(マイク・)ピアッツァも、「野茂のフォークを弾いているようではダメだ」とワンバウンドを止める練習をしたらしいんです。

 佐々木のフォークのスピードは1段階上ですから、それを止めるのは非常に困難ですが、それをやらないと彼は思い切って投げられなくなります。DeNA戦では真っ直ぐもフォークも打たれていましたけど、「佐々木がどんな球種を投げても打たれる」という状況はおかしい。だから、思い切り腕を振れる状況をキャッチャーが作ってやらないといけません。

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