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「佐々木朗希がどんな球を投げても打たれる状況はおかしい」高木豊がパ・リーグ6球団の交流戦を分析 気になる西武の「崩壊」状態... (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【楽天、日本ハムはAクラスも見えてくる?】

――今後、リーグで勝ち星を伸ばしていきそうなチームは?

高木 楽天がリーグ戦でも勢いを持続しそうです。(6月20日の)ヤクルト戦では打線が沈黙しましたが、以前よりも打線がつながるようになって、"気持ちのつながり"もできてきたんじゃないかと。

 交流戦に入るまで、援護がないことに泣かされていたピッチャーも変わってきたでしょう。今の打線なら、「粘って投げていれば追いついてくれる、逆転してくれる」という気持ちで投げることができると思います。

 あとは、島内宏明の復調を待つばかりですね。彼が本来の状態に戻ってくると、打線により厚みが出て、相当に厄介なチームになりますよ。代打でヒットを打つ場面もありますけど、やはりスタメンに入らなきゃいけない選手です。

――日本ハムは4連勝して交流戦を勝ち越し。最後のDeNA戦(6月19日)も接戦を制するなど、チーム力の高まりを感じます。

高木 そのDeNA戦は8回に2点差を追いつき、延長10回に万波中正が決勝ホームランを打って勝ちましたが、あの展開をひっくり返せるのは力がついてきた証拠だと思います。ただ、日本ハムのミスは、勝敗に関わるようなミスが多いんですよね。それが減るとAクラスを狙えるはずです。交流戦の終盤で清宮幸太郎や石井一成が戻ってきたのも、今後に向けて明るい材料です。

――6月23日から再開されるリーグ戦では、オリックスとソフトバンクの首位攻防戦があります。

高木 6月に入って、ソフトバンクは柳田悠岐が打てていない。ピッチャー陣がいいオリックスと戦う際に、柳田が不発だと厳しくなります。山本が初戦の23日に先発する可能性が高いようですし、ソフトバンク打線がどう立ち向かっていくか。近藤は好調ですが、柳田の結果がポイントになると思います。

 他チームでいうと、ロッテは佐々木で白星をとれないと苦しいですね。彼が勝てるかどうかは、順位にも大きな影響が出るでしょう。ピッチャー陣の不安は、西野勇士や種市篤暉。故障明けですし、ここ数年は1年間フルで投げていない。屋外球場が本拠地ということもありますし、夏場の戦いで持ちこたえられるのか。

 オリックスは2連覇していて1年間フルに戦っている実績もあるし、経験値という意味でも一枚上手。昨年悔しい思いをしたソフトバンクと、一昨年悔しい思いをしたロッテがどう立ち向かっていくのか。交流戦で勢いづいた楽天や日本ハムがどう絡んでいくか。パ・リーグは今後も目が離せません。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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