ロッテ吉井理人監督の選手起用法はバレンタインに「非常に似ている」 両者を知る清水直行が解説する「吉井スタイル」の特徴 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――清水さんは以前、バレンタイン監督のロッテが日本一になった2005年は、清水さんのほかにもサブローさん(現ロッテ二軍監督)や里崎智也さん、西岡剛さん(現北九州下関フェニックス選手兼任監督)ら、リーダーシップのある選手が多くてチームに勢いがあったと言われていましたが、今も似ている?

清水 似ている部分はあると思います。チームの勢いに「乗り遅れたくない」という気持ちが、選手たちからひしひしと伝わってきます。みんなが打ち始めると「自分も負けていられない」と気持ちが入る。だから、ベンチの雰囲気もすごくいいですよね。ベンチの雰囲気が打席の雰囲気につながるものなので。

 そんな中で、あえてキーマンを挙げるとすれば、僕は山口航輝だと思います。彼がどのタイミングで戻ってこられるのか。彼が離脱(左大腿二頭筋損傷で4月30日に出場選手登録を抹消)してから、得点力がぐっと下がってしまいましたから、彼の復帰のタイミング、戻ってきてからまた打線が機能していくのか、ということがカギになるかなと。

 もちろん、同じく離脱中の荻野貴司や髙部瑛斗が復帰してくれたら心強いですし、今戦っているメンバーでいえば、安田尚憲と藤原恭大にも頑張ってもらわなければいけません。若いチームなので、今後さらに勢いがつけば面白いと思います。

【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)

1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝府中から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

◆清水直行703チャンネル>>

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る