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今季の佐々木朗希は「異次元」 ロッテOB清水直行は「WBCで人間的に成長した」と指摘も、指のマメは「苦労するかも」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【人間的な部分でも成長】

――昨シーズンは松川虎生選手とバッテリーを組むことが多かったですが、今シーズンはその松川選手がファーム。2回目の登板以降は佐藤都志也選手と組んでいます。

清水 2人でうまくコミュニケーションをとってやっていますね。そういう意味でも佐々木は器用なんです。さらなる高みを目指していると思いますし、誰とバッテリーを組むかはチームの方針であって、彼はキャッチャーが誰であっても自分のピッチングに徹しているように見えます。

――マウンド上、ベンチでもそうですが、昨シーズンよりも喜怒哀楽が前面に出ているように感じます。

清水 そうですね。僕も2006年のWBCに出た時はそうでしたが、やはり日本代表に入ると、トッププレーヤーからの影響をかなり受けます。特に今回は大谷のような世界でもトップの選手がいたわけで、いい影響を受けたと思います。いろいろなことを学び、その中から自分に合いそうなものを取り入れていると思いますが、もしかしたら今まで自分で抑えていたものを「解放してもいいんだ」と思ったのかもしれません。

 今までは「まだ若いから」と遠慮していたことを解放し始めていて、それがリラックスやチームメイトらとのコミュニケーションにつながっているんじゃないですかね。アスリート以外の人間的な部分での成長も感じます。

――現時点での課題を挙げるとすれば?

清水 先発ピッチャーとして成長していく上で求められることは、「シーズンで何試合投げられるのか?」ということ。それが、信頼にもつながるんです。ローテーションで1年間投げて規定投球回に到達すれば、多くのタイトルを手にできる力があると思います。まずはシーズンを投げきる体力ですね。

 まだ21歳ですが、長い目で見ればピッチャーが旬を迎えるのは20代中盤から後半にかけての時期です。その頃に最大のパフォーマンスができるように、という意味も含めての課題ですね。

(他の投手編:「クローザー固定」が理想、キーマンは「7回を頑張っているピッチャー」>>)

【プロフィール】
清水直行(しみず・なおゆき)

1975年11月24日に京都府京都市に生まれ、兵庫県西宮市で育つ。社会人・東芝府中から、1999年のドラフトで逆指名によりロッテに入団。長く先発ローテーションの核として活躍した。日本代表としては2004年のアテネ五輪で銅メダルを獲得し、2006年の第1回WBC(ワールド・ベースボールクラシック)の優勝に貢献。2009年にトレードでDeNAに移籍し、2014年に現役を引退。通算成績は294試合登板105勝100敗。引退後はニュージーランドで野球連盟のGM補佐、ジュニア代表チームの監督を務めたほか、2019年には沖縄初のプロ球団「琉球ブルーオーシャンズ」の初代監督に就任した。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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