原辰徳監督は球団初の不名誉な記録を回避できるか 伊原春樹が語るジャイアンツ低迷の理由と打開策

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

 原辰徳監督率いる巨人が昨年に続き、今シーズンも苦しい戦いを強いられている。もしこのままの状況が続けば、球団史上初となる「同一監督での2年連続Bクラス」という不名誉な記録も現実味を増す。果たして、巨人は立ち直ることができるのか。かつて原監督の右腕として巨人をリーグ3連覇に導いた伊原春樹氏に、低迷の理由、打開策について聞いた。

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【防御率はリーグワーストの4点台】

── 今季の巨人の戦いぶりをどう見ますか。

伊原 数字に顕著に現れています。5月15日現在、得点133はリーグ1位タイですが、失点157はリーグワースト。防御率4.20もリーグ最下位で、唯一の4点台です。つまり、5点とらないと勝てないということです。いくら得点力があっても、毎試合5点とるのは厳しい。もう少し投手陣が踏ん張ってくれれば、もっと違った結果になると思います。

 ただ、エース・菅野智之はコンディション不良によりまだ1試合も登板しておらず、頼れるのは戸郷翔征ただひとりの状態です。昨年の巨人は「初勝利投手」8人を輩出しましたが、裏を返せば投手陣が安定せず、先発投手がしっかり育っていないということです。「今年1年よければいい」という補強のツケが回ってきた気がします。

── 現状、日本人の先発投手は戸郷翔征、髙橋優貴、山﨑伊織、赤星優志、横川凱......。実績不足の先発陣の穴を埋めるべく外国人投手を補強したのだと思います。

伊原 台頭してきたのは5年目の横川くらい。外国人投手はフォスター・グリフィン、タイラー・ビーディ、ヨアンダー・メンデスの先発3人を獲得しました。原監督はGMも兼ねるのだから、中途半端に実績のある投手ではなく、サイ・ヤング賞投手であるトレバー・バウアー(DeNA)クラスを補強してもよかったのではないでしょうか。

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