審判歴38年の名アンパイアが選出したポジション別「名手ベスト5」 守備の達人から意外なプレーヤーの名前も (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro,Sankei Visual

バッティングだけでなく守備にも定評があったロバート・ローズバッティングだけでなく守備にも定評があったロバート・ローズこの記事に関連する写真を見る ローズ選手は5−4−3、6−4−3のダブルプレーの時のピボットマン(内野ゴロによるダブルプレーの際、打球を処理した野手からの送球を受けて、一塁へとボールを転送する"リレー役"の選手のこと)としての素早さと地肩の強さ。当時の横浜は、ローズ選手のおかげで間一髪のダブルプレーをたくさんとりました。それにバックトスもうまかった。1998年の横浜は"マシンガン打線"が注目されましたが、捕手の谷繁選手、一塁の駒田選手、二塁のローズ選手、三塁の進藤達哉選手、遊撃の石井琢朗選手と内野守備も鉄壁でした。

 篠塚選手はとにかく華麗で、守備範囲も広かった。ほれぼれするプレーでしたね。

 菊池選手は抜けそうな打球を捕ってしまう球際の強さが印象的で、ほかの二塁手と比べて守備位置が深かったですね。ヒット性の打球を止めるので、どうしても一塁はクロスプレーになります。そういう意味で、"審判泣かせ"の名手でしたね(笑)。

 荒木選手は堅実さと守備範囲の広さが持ち味ですが、ショートの井端弘和選手とのコンビネーションも光っていました。

【スローイングが安定していた長嶋一茂】

── 三塁手はいかがですか。強打の選手が守るイメージがありますが。

橘髙 中村紀洋選手(元近鉄ほか)はパ・リーグで5度、セ・リーグで2度、ゴールデングラブ賞を受賞した名手ですが、グラブさばきが柔らかく、肩も強かった。

 長嶋一茂選手(元巨人ほか)は槙原寛己投手の完全試合の時に三塁を守っていましたが、強肩でスローイングが安定していました。

 松田宣浩選手(巨人)と言えば、元気あふれるハツラツとしたプレーが印象的ですが、打球への反応がすばらしく、球際も強かったですね。

 あと渋いところでは、よく試合終盤に守備固めとして出場した高信二選手(元広島)です。エラーが許されない場面での堅実な守りは、さすがのひと言でした。

 三塁の最後のひとりは原辰徳選手(元巨人)です。ゴールデングラブ賞は2回とそれほど多くありませんが、やはり華がありました。ふつうのサードゴロでも華麗に見えるあたり、やはりスーパースターは違うなと思いましたね。

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