審判歴38年の名アンパイアが選出したポジション別「名手ベスト5」 守備の達人から意外なプレーヤーの名前も (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro,Sankei Visual

 城島健司選手(元ダイエーほか)もソフトバンク時代より、メジャーを経て、阪神に移籍してからのほうがキャッチング技術は向上していたように思います。それに城島選手は、座ったまま送球するなど、球界屈指の強肩でもありました。

 大事な局面で盗塁を企てたランナーを刺すのは、捕手の見せ場のひとつです。地肩の強さでモノが違ったのは、中嶋聡選手(元オリックスほか)です。中嶋選手がまだ二軍にいた頃、イニング間の投球練習後の二塁送球に見とれました。「低くて強い、すごい球を放るな」と会話したのを覚えています。"甲斐キャノン"の異名をとる甲斐拓也選手もすごいですが、中嶋選手はそれ以上でしたね。

 スローイングで言えば、中村武志選手(元中日ほか)も力強いボールを投げていましたね。あとは古田敦也選手(元ヤクルト)の二塁送球も印象に残っています。手首を効かせて、しなやかに美しい軌道のボールを投げていました。

【中田翔の守備センスは抜群】

── 内野ですが、まず一塁からお願いします。

橘髙 一塁手は駒田徳広選手(元巨人ほか)、長内孝選手(元広島ほか)、中田翔選手(巨人)、ロベルト・ペタジーニ選手(元ヤクルトほか)、アンディ・シーツ選手(元広島ほか)です。

 ペタジーニ選手とシーツ選手の外国人ふたりは、バントの打球を素手で捕球し、そのまま送球するアームワークがうまかった。

 駒田選手、長内選手の左利きの一塁手は、右手にはめたミットでボールを処理するため一、二塁間の守備範囲が広い。たとえば無死、もしくは一死一塁で一、二塁間の打球を捕れるか否かは雲泥の差です。このふたりはショートバウンド、ハーフバウンドの捕球もうまかったです。

 中田選手は抜群の守備センスの持ち主です。ゴロ捕球、一塁ベースカバーに入った投手への送球は見事で、上から横から下からと、いいタイミングで捕りやすいところに投げます。

── 二塁手はいかがですか。

橘髙 セカンドはロバート・ローズ選手(元横浜)、篠塚和典選手(元巨人)、菊池涼介選手(広島)、荒木雅博選手(元中日)、辻発彦選手(元西武ほか)の5人です。

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