ヤクルトの野手24人に聞いた「増やしたいもの、減らしたいもの」三冠王・村上宗隆の答えは? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

【ユーティリティープレーヤーの矜持】

 キャンプ中のシートノックでは、多くの選手がファーストミット、内野用、外野用のグラブを手にポジションを目まぐるしく移動していた。朝8時半に始まる早出練習に宮本丈が姿を見せると、河田雄祐コーチが「おっ、貪欲がきた」と声をかける。努力の人・宮本が増やしたいのは「1年間ケガなく、いいコンディションで過ごせる時間」だ。

「去年は、抑えながら練習をしてしまったことが反省点でした。この冬は青木(宣親)さんとの自主トレで、自分に合った体の使い方や負担がかからない体の使い方に取り組んできました。体への理解が増せば数字はついてくるでしょうし、試合数も増えていくかなと......。減らしたいものはミスショットです。狙っている球をしっかりとらえる準備をして、全打席を意味のあるものにしていきたいです」

 中日から移籍の三ツ俣大樹は「戦力外から獲ってもらったので、チームのためになるのなら一塁でも外野でもどこでもやります」と、初めてのポジションの練習にも覚悟をもって取り組み、後輩たちからは兄貴分的な存在として慕われていた。

「減らしたいものはないですね。今は挑戦してくることをどんどん増やしているので」

 赤羽由紘は、昨シーズン途中に育成から支配下登録された。日本シリーズにも帯同し、今年は勝負の年を迎える。

「まずは試合に出る機会を増やすことが一番で、試合に出た時にチームのために何かひとつでもできればと思っています。オフには内川(聖一)さんとの自主トレでミート率を上げることに取り組んできたので、三振を減らして、ヒットはもちろんですが粘って四球とかをとりたい」

 松本友は、キャンプ序盤は二軍スタートだったが、途中から一軍に合流。「内外野の守備を鍛錬しながら、打席に立った時は追い込まれても簡単に終わらない。何かを起こすことを意識したい」と、練習試合では持ち味のバッティングで結果を残した。

「トータルでも一軍に1年間いたことがないので、今は試合数を増やす段階だと思っています。そこから信頼を増やしていきたい」

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