【山本昌×岩瀬仁紀のセ・リーグ順位予想】「打てれば中日の優勝も」「DeNAバウアーは、15勝は堅い」
山本昌×岩瀬仁紀 開幕直前スペシャル対談(後編)
山本昌と岩瀬仁紀による中日レジェンドOB対談、後編のテーマは「2023年のセ・リーグの優勝争い」。今年もふたりが頭を悩ませ、順位予想を展開した。
DeNAに新加入した2020年のサイ・ヤング賞投手、トレバー・バウアーこの記事に関連する写真を見る
【セ・リーグ上位争いは?】
岩瀬 山本さん、中日の予想順位は何位にするんですか?
山本昌 うーん、ある程度打てれば優勝まであると思う。キャンプで(アリスティデス・)アキーノと田中幹也を見て、「チャンスはあるな」と感じたんだよね。田中はケガ(右肩脱臼)をしてしまったけど。
岩瀬 僕も優勝の可能性は感じています。でも、やっぱりアキーノ次第なんですよね。
山本昌 現時点で強いと感じるのはヤクルト、阪神、DeNA。
岩瀬 僕も同じです。
山本昌 DeNAは打線がリーグナンバーワンで、あとは投手陣が課題というなかで(トレバー・)バウアーを獲得した。2020年のサイ・ヤング賞投手だし、額面どおりの働きを見せれば15勝は堅いでしょう。
岩瀬 能力は本物ですよ。あとはチームとして彼の存在がうまく回るかどうか。ほかの外国人選手との関係性、モチベーションはどうなるか。そういう意味では諸刃の剣ですね。
山本昌 リリーフ陣も山﨑康晃が抑えにいて、(エドウィン・)エスコバーに伊勢(大夢)といる。とくに伊勢は個人的に買っていて、「侍ジャパンにいてもおかしくない」と感じるほどえげつないボールを投げます。ストレートは大勢(巨人)と遜色ない。
岩瀬 僕はDeNAのリリーフ陣は少し不安視しています。でもまあ、それ以上にバウアーがどうなるかですね。
山本昌 阪神も期待値は高いよ。岡田彰布監督の考えを選手が理解して戦えれば、優勝争いをするでしょう。レギュラーがしっかりしているし、Aクラスは外さないはず。
岩瀬 ただ、軸になるべき大山(悠輔)、佐藤(輝明)に波があって、計算しづらいんですよね。投手陣は安定しているので、あとは新守護神の湯浅(京己)がハマるか。セットアッパーには岩崎(優)、浜地(真澄)がいるので。
山本昌 岡田監督はピッチャーの使い方がうまいから、その点でも楽しみだね。あとは先発陣で髙橋遥人が復活してくれたら、言うことなし。
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プロフィール
菊地高弘 (きくち・たかひろ)
1982年生まれ。野球専門誌『野球小僧』『野球太郎』の編集者を経て、2015年に独立。プレーヤーの目線に立った切り口に定評があり、「菊地選手」名義で上梓した『野球部あるある』(集英社/全3巻)はシリーズ累計13万部のヒット作になった。その他の著書に『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない! 野球留学生ものがたり』(インプレス)『巨人ファンはどこへ行ったのか?』(イースト・プレス)『下剋上球児 三重県立白山高校、甲子園までのミラクル』(カンゼン)など多数。