【高木豊のセ・リーグ順位予想】阪神の投手陣は「文句なし」Bクラス予想の巨人は「坂本勇人を再生させられるか」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

【2位予想:ヤクルト】

――球団史上初のリーグ3連覇を目指すヤクルトは2位と予想。何か懸念材料があったのですか?

高木 先発ピッチャー陣の層の薄さが気になります。枚数は割といるんですけど、個々の能力的には少し物足りない。一軍スタートになったドラフト1位ルーキー、吉村貢司郎あたりがどのぐらい投げられるかがポイントになりそうです。

 あと、クローザーの(スコット・)マクガフが抜け、代わりを務める候補は清水昇や木澤尚文などがいるのですが、彼らが一番うしろにまわった時にどういう働きをしてくれるのかはまだ不透明な部分もある。ただ、高津臣吾監督はピッチャー陣のやりくりが非常にうまいですし、適材適所で起用していくと思います。

――バッター陣はいかがでしょうか?

高木 若手が育っていますね。丸山和郁や武岡龍世、キャッチャーも内山壮真や古賀優大ら若手が出てきていて、ポジション争いも激しく厚みが出てきましたね。外国人選手もしっかりしていますし、村上宗隆、山田哲人、中村悠平はWBCで刺激を受けているので、チームに好影響を与えてくれそうです。

 心配なのは、下半身のコンディション不良で離脱中の塩見泰隆。それでもやっぱり野手の層は厚いし、打線も破壊力があるものになるでしょう。

【3位予想:DeNA】

――高木さんの古巣、DeNAは3位予想。注目は、2020年にサイ・ヤング賞を獲得したトレバー・バウアー投手の加入です。

高木 当初は4位と予想していたのですが、バウアーの加入を受けて3位に上げました。バウアーがまともに投げられれば、ある程度の貯金ができるでしょうし、順位を変えるだけの力があると思います。(女性への暴行容疑で)1年以上のブランクがあるのは心配ですが、32歳とまだ若いですし、実績から考えると投げられないはずがないですから。

――近年、ピッチャー陣が安定してきたなかでのバウアー投手の加入は大きそうですね。

高木 ただ、阪神のピッチャー陣と比べると、総合力でちょっと落ちる感じはします。
難病(黄色靱帯骨化症)から三嶋一輝が戻ってきましたが、昨年71試合に投げた伊勢大夢の疲労度など不安材料はあります。

――以前から高木さんは、「DeNAの課題は機動力」と話していましたが、現状はいかがですか?

高木 6年目の楠本泰史などは成長していますけど、近年はスタメンがほぼ固定されているんですよね。だから結局は足が使えずに、ウィークポイントを克服できないんです。オープン戦でも足を使おうとはしていましたが、走塁技術はちょっと低い。

 飛び道具(長打)しかないのですが、今のレギュラーたちも年齢を重ねていくわけで、長打が減っていくと考えると苦しくなります。打つ技術はあっても、点にする技術がないような気がするのが心配です。

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