WBC準決勝で対戦する日本とメキシコの因縁の歴史 過去の対戦成績は圧倒しているが大谷翔平対策は万全か (3ページ目)

  • 阿佐智●文 text by Asa Satoshi
  • photo by Getty Images

 U23ワールドカップは、2018年の第2回大会(コロンビアで開催)までプロ主体のナショナルチームが送り込まれたが、この大会でもメキシコと2度対戦。オープニングラウンドで7対2、そして決勝では2対1で勝利し、2大会連続の優勝を果たした。この時のチームには、今回のWBCで侍ジャパンの一員として参加している山?颯一郎(オリックス)と周東佑京(ソフトバンク)のふたりが名を連ねている。

 侍ジャパンは2011年オフに"常設化"されることになったが、これ以後、シーズン前後に強化試合が組まれるようになった。この相手としてメキシコが初めて招かれたのは、2016年秋のことである。この前年に楽天でプレーしていたアガスティン・ムリーヨも名を連ねたメキシコ代表は、1勝1敗で東京ドームをあとにした。この時、ホームランを打つなど気を吐いたラミロ・ペーニャは、翌年、広島と契約し日本でプレーすることになった。

 2019年には、メキシカンリーグ主体の代表チームが春と秋の2度来日。3月に京セラドーム大阪で行なわれた強化試合は1勝1敗。11月に開催された第2回プレミア12では、スーパーラウンドで対戦し、稲葉篤紀監督率いる侍ジャパンが3対1で快勝した。

【メキシコは20人がメジャーリーガー】

 そして、コロナ禍により1年開催が延期された東京五輪の舞台でも激突。試合は7対4で日本が勝利した。

 この時のメンバーには山本由伸(オリックス)、栗林良吏(広島)、甲斐拓也(ソフトバンク)、山田哲人(ヤクルト)、村上宗隆(ヤクルト)、近藤健介(当時日本ハム/現・ソフトバンク)、吉田正尚(当時オリックス/現・レッドソックス)たちが名を連ね、今回のWBCメンバーの原型が形づくられている。

 メキシコのほうも、ピッチャーのマニー・バレダ、捕手のアレクシス・ウィルソン、外野手のホセ・カルドナなど、今回のWBCのロースターに名を連ねているメキシカンリーグを代表する選手が名を連ねていた。

 さらにこの年、日本の独立リーグでシーズンをスタートさせていたセサル・バルガスは、オリンピックでの投球が目に留まり、大会終了後にオリックスと契約。日本シリーズにも登板した。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る