「韓国戦の先発は大谷翔平」「抑えは大勢」高木豊が語る侍ジャパン投手陣の起用法とパワーヒッターが多い不安 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――やはり状況によるでしょうが、第二先発にはどんなピッチャーがいいですか?

高木 先発候補のピッチャーはみんな球が速いので、2番手はバッターの目先をがらっと変えたいですね。そう考えた時、宮城大弥(オリックス)は左で緩急を使えますし、うまくハマるんじゃないかと思います。同じく左の今永もいいと思いますし、外国人が苦手の落差のあるフォークが武器の戸郷翔征(巨人)も期待できます。

――クローザーに適任のピッチャーは?

高木 大勢(巨人)がいいと思います。少し変則で球威がありますし、落ちるボールも使えて三振が取れます。松井裕樹(楽天)は、左打者が続くときなどに使う気がします。ちょっとコントロールに難があるピッチャーなので、抑えを任せるのは怖いですね。

――高木さんは2004年のアテネ五輪で日本代表の守備走塁コーチを務めましたが、その経験などもふまえ、日本はどんな戦術で戦っていくべきでしょうか?

高木 WBCの歴史を紐解いていくと、第1回大会の王貞治監督は、機動力や小技を重視した「スモールベースボール」で世界一になりましたよね。第2回大会の原辰徳監督もそれを継承しつつ、多くのメジャーリーガーの招集にも成功して連覇を成し遂げました。

 一方、第3回、第4回の大会で優勝に手が届かなかったのは、そういう野球ができなかったことが大きな要因だと思います。歴史から学ぶということを考えてみても、日本の特長を考えてみても、やはりスモールベースボールでいくべきだと思います。

――今回のメンバーにも、源田壮亮選手(西武)や周東佑京選手(ソフトバンク)らはいますが、全体としてパワーヒッターの比重が大きいです。

高木 そういう面で、ちょっと不安なんです。走れるのは源田、周東、中野拓夢(阪神)、追加招集された牧原大成(ソフトバンク)くらい。大谷も走ろうと思えば走れますが、パワーヒッターが多いので今大会は積極的に打っていくのかなとは思います。周東らは接戦になった時に1点を掴み取りにいくための武器ですね。代走で使ってそのまま守備固めといった形をつくれればいいなと。

 日本のピッチャーはそんなに点を取られないと思うので、いかに先行していけるか。やはり守備と足がカギになると思います。狭い東京ドームでの1次ラウンドではホームランも出ると思いますが、アメリカの球場に行けばその確率は低くなりますから、つなぎの意識も大事ですね。

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