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第1回WBCメンバー・清水直行が振り返る初優勝。福留孝介の韓国戦ホームラン、イチローに「そんなことするの?」と思った選手も語った (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

【準決勝進出を諦めていた買い物中に「帰ってきてくれ」】

――アメリカに敗れ、次のメキシコ戦で勝利したものの、続く韓国に負けて日本は窮地に追い込まれました。日本が準決勝に進出するためには、「メキシコが2点以上とってアメリカに勝利」する必要があり厳しい状況でしたが、メキシコが2-1で勝利。準決勝進出が決まって"奇跡"と話題になりました。

清水 数字的に絶望的な状況でしたし、「もう終わりだ」と思っていました。(第2次ラウンド会場の)ペトコ・パークの近くのホテルで、みんな帰る準備をしていましたからね。アメリカとメキシコの試合を見ている選手もいたと思いますが、ほとんどの選手が買い物に出かけていました。

――清水さんも外出していたんですか?

清水 近くに買い物できる施設があったので、そこでお土産を買ったりしていましたね。ただ、試合でメキシコが勝ちそうな状況になると、スタッフから「帰ってきてくれ」と連絡があったので、急いでホテルに戻りました。試合の終盤には王貞治監督をはじめ、みんなでメキシコの勝利を見届けました。試合後は「アメリカが負けた!俺たちが勝ち上がれるんだ!」などと声を掛け合ったりして、一度は落ちていたテンションが再び上がったんです。

――準決勝は同大会で3度目となる韓国戦。2連敗していた相手に対し、先発の上原浩治さん(元巨人、レッドソックスなど)が7回3安打無失点の快投を見せ、勝利を手繰り寄せました。

清水 上原が"無双状態"のピッチングをしていたのを見ていて、「やっぱりすごいな」とあらためて思わされました。上原は大学時代から国際大会で負けなしでしたし、国際大会の試合に向かっていく時のテンションのもっていき方、一発勝負での集中力がすごかった。あの試合での快投は日本の野球史に刻まれていますし、本人も生涯忘れられないくらいのピッチングなんじゃないかと思います。

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