「こんなにスライダーが曲がるのか」内川聖一が22年間のNPB時代に対戦して驚いた、ふたりの日本人メジャーリーガー

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Kyodo News

内川聖一(大分B-リングス)インタビュー@中編

◆前編はこちら>>40歳でNPB引退を決断した理由「受け入れるしかなかった」

 2022年も実績のあるベテラン選手の多くがユニフォームを脱ぐことになった。糸井嘉男は41歳、内海哲也は40歳、金子千尋は39歳、嶋基宏と坂口智隆は38歳......。

 40歳の内川聖一は同世代の引退について、何を思うのか。高校卒業後から22年間過ごしてきた愛着ある世界を離れる決断をした今、心に秘めた本音を聞いてみた。

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内川聖一でさえも苦しんだピッチャーとは?内川聖一でさえも苦しんだピッチャーとは?この記事に関連する写真を見る── インタビュー前編でWBCについて話をうかがった時、ダルビッシュ有選手や大谷翔平選手の名前が出ました。現役時代、対戦するのが楽しみだった投手はいましたか?

「楽しみという感覚はなかったですけど、特別な感情があったのは、やっぱりテツ(内海哲也)ですね。テツは同い年(1982年生まれ)なんです。

 僕が首位打者を獲った2008年シーズンの初め頃、テツからレフトフェンス直撃のツーベースを打ったことがありました。その時に『俺、今年、打てるな』と手応えを掴んで、実際に首位打者を獲ることができたんです。

 そうやって意識させられる存在でした。テツと対戦する時は、やっぱり特別でしたよ。あとは、やっぱり大谷選手とダルビッシュ選手かな」

── 大谷選手はどういう存在でしたか。

「実は、彼との初対戦でバックスクリーンにホームランを打ってるんですよ。当時の映像を見たら、152キロのストレートでしたね。

 大谷選手はまだ高卒1年目。プロの先輩としての力を見せることができてホッとした記憶があるんですけど、気がついたら手も足も出ないようなピッチャーになっていましたね(苦笑)。

 2016年に(ホークスが日本ハムに)11.5ゲーム差をひっくり返された時も、彼から与えられたダメージはすごく大きかったという記憶があります。今は押しも押されぬスーパースターですけど、その成長の過程をまざまざと見せつけられましたね」

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