井端弘和がパ・リーグGグラブ賞9人を分析。「源田壮亮のうまさは、捕る瞬間が柔らかく、打球に衝突しない」 (3ページ目)
── リーグ連覇を果たしたオリックスから3人。ポジションが固定されなかった日本ハムを除き、大混戦を物語るように5チームから受賞者が出ました。まずバッテリーから、井端さんの印象をお聞かせください。
井端 山本投手は「2年連続投手四冠」が目立ちますが、クイックモーションも抜かりないですし、打球処理やフィールディングもうまいです。何も言うことはありません。捕手の甲斐選手の特長は、強肩を生かした盗塁阻止率です。昨年と比べると少し落ちましたが、それでも「パ・リーグの捕手と言えば甲斐」という確固たる地位を確立しています。これで6年連続の受賞になりましたが、パ・リーグにはほかにも有能な捕手がいます。そろそろ"甲斐の壁"を崩さないといけないですね。
── 内野手は4人全員が複数受賞です。
井端 一塁の中村選手は、若い頃の外野手のイメージが強いですが、グラブ捌きが柔らかく、一塁送球のショートバウンドを捕球するのがうまいですね。二塁手は外崎選手が獲得しましたが、中村奨吾(ロッテ)選手、浅村栄斗(楽天)選手と票が割れました。外崎選手はセカンドだけじゃなく、サード、ショート、外野も守れます。昨年は開幕直後の死球による骨折で出遅れましたが、今年は二塁手として落ち着いてプレーができたということでしょう。
── 三塁手はオリックスの宗選手が2年連続、ショートは源田選手が5年連続の受賞となりました。
井端 宗選手は三塁線の打球を踏ん張って投げるのではなく、そのまま右回転して、強肩を生かして一塁に送球します。ハンドリングも柔らかく、メジャーばりの守備を披露して、観客を魅了してくれます。源田選手のうまさは、捕る瞬間が柔らかいことです。打球に衝突しないでいくので、捕ってからも送球が柔らかい。今シーズン、源田選手は6個の失策を記録しましたが、彼の守備力なら「シーズン0個」を目指してもらいたいですね。
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