ヤクルトの「イケメン通訳」が外国人選手の活躍を支える。「ふだんは陽気な彼が精神的につらそうでした」とオスナの不調時もサポート (5ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 吉楽洋平●撮影 photo by Kichiraku Yohei

【村上宗隆の専属通訳の可能性は?】

 最後に筆者が気になっていたことをふたつほどぶつけてみた。

 ひとつは、キブレハンの登場曲が湘南乃風の『睡蓮花』だったこと。シーズン途中に来日した選手が、どのようにして2007年のヒット曲を登場曲に選んだのか。

「あれ、気になりますよね。キブレハン本人が選んだんですよ。どこで知ったのかはわかりませんが、『聖也、この曲知ってるか?』って聞いてきたんです。『ふーふん、ジャンボリー』ってだけですけど、サビの部分を口ずさんで(笑)。これかなと思って、『睡蓮花』を流したら、『それそれ!日本の曲で俺が一番好きな曲だ』って言って......」

 そんな経緯があって、キブレハンは登場曲を決めた。こんなところにも、水島さんのサポートがあった。

この記事に関連する写真を見る もうひとつは、ヤクルトの主砲、村上宗隆が将来的にメジャーリーグに挑戦したい意向を表明したこと。仮に、村上がアメリカに渡る際に専属通訳として同行する可能性はあるのか、尋ねてみた。

「どうなんでしょうね。それはもうムネ次第ですから。なんとも言えません」

 もっともな回答だ。

 しかしながら、言葉はこう続く。

「自分としては、チャンスがあったらぜひチャレンジしたい。すごく面白い仕事だなって思いますね」

 リップサービスかもしれないが、愚問にも真摯に答えてくれた。

 いつの日か、メジャーリーグの舞台で、村上選手の隣にいる水島さんの姿があるのかもしれない。もっとも、スワローズファンにとっては、少し寂しくもある未来だが......。

【著者プロフィール】
和田悟志 わだ・さとし
ライター。1980年、福島県生まれ。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やランニングをはじめ、スポーツを中心に取材・執筆をしている。

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