ヤクルトの「イケメン通訳」が外国人選手の活躍を支える。「ふだんは陽気な彼が精神的につらそうでした」とオスナの不調時もサポート (2ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • 吉楽洋平●撮影 photo by Kichiraku Yohei

【焼肉でオスナやサンタナのメンタルサポート?】

 2019年にヤクルトに入った水島さんは、1年目はファーム、2年目は投手の通訳を担当。そして、昨シーズンからは野手を担当している。

 通訳と一口にいっても、単に、英語と日本語とを変換するだけではなく、その仕事内容は多岐に渡る。

 たとえば、ダグアウトでは、スコアラーが作った資料を外国人選手たちに伝えやすいように整理しておき、相手投手との過去の対戦成績や配球などを聞かれた時に、すぐに答えられるように準備している。また、グラウンド内だけでなく、私生活においても選手と密接に関わっている。

リーグ連覇時の記念写真。水島さん(右から4番目)が通訳を担当するホセ・オスナやドミンゴ・サンタナらと一緒に 写真提供/水島聖也リーグ連覇時の記念写真。水島さん(右から4番目)が通訳を担当するホセ・オスナやドミンゴ・サンタナらと一緒に 写真提供/水島聖也この記事に関連する写真を見る「通訳は、マネージャー代理人みたいなことから、時には、メンタルコーチ的な役割を担うこともあります。外国人選手のためにやらなきゃいけないことはけっこう幅広くあります。シーズン中は、選手たちにとって、家族よりも通訳と一緒にいる時間のほうが長いと思います」

 水島さんが特に大事にしているのが、メンタル面のサポートだ。

「球団の通訳として、外国人選手のベストパフォーマンスを引き出せるかが最も重要だと考えています。選手たちもいろいろな悩みごとを抱えていて、それをずっと口に出せずにいたら、野球に100%集中できないですし、ベストなパフォーマンスを発揮できないと思うんです。だからいろいろとコミュニケーションをとったり、全般的にサポートしたりすることを心掛けています」

 ホセ・オスナやドミンゴ・サンタナとはプライベートでも仲がよく、一緒に食事に行くこともしょっちゅうだそう。

「焼き肉がダントツに多いです」

 日本シリーズのあと、多くの外国人選手が帰国するなか、オスナは家族で富士山旅行を楽しんでいる姿をSNSに投稿していたが、その家族旅行に水島さんも誘われたという。予定が合わず一緒に行くことはなかったが、水島さんがいかに信頼されているかがわかるエピソードだ。

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