鶴岡慎也がマスク越しに驚いた大谷翔平など強打者5人。「ヒットを打つ天才」「これが首位打者のスイング軌道か...」 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Nishida Taisuke

ウイリー・モー・ペーニャ(ソフトバンク→オリックス→楽天→ロッテ)

 外国人選手ではウイリー・モー・ペーニャです。2012年にソフトバンクで21本塁打、2014年にオリックスで32本塁打、2015年に楽天で17本塁打、2017年にロッテで15本塁打を打っています。

 右打ちの長距離砲で、外に逃げる変化球に弱くて三振も多いのですが、当たればどこまでも飛んでいく。だから、コントロールミスしたらやられてしまうというプレッシャーがありました。

 しかも、普通はホームランの打球は放物線を描くものですが、ペーニャの打球は内野手がジャンプするような低い弾道でそのままスタンドインするんです。「この角度で入るの?」と驚きしかなかったですね。

福浦和也(ロッテ)

 福浦和也さんは、2001年に首位打者のタイトルを獲得してから6年連続して打率3割をマークした好打者です。僕はプロ3年目の2005年から一軍の試合に出始めたのですが、その時に福浦さんと対戦しました。ある試合で味方の投手が外角にものすごくいいボールを投げて「決まった。見逃しだ!」と思った瞬間、バットが出てきてレフト前に運ばれました。

 捕手というのは打者がバットを振るのか振らないのか、大体わかるものです。でも、福浦さんは絶対に振ってこないというタイミングから目の前をバットが横切ってきました。「これが一軍で首位打者を獲る選手のバットスイング軌道か......」と、打たれたのに感動したのを覚えています。

 その後、福浦さんが現役引退する2019年まで何打席も対戦しました。年齢とともに打撃スタイルは変わりましたが、「内角低めの捌き方」「外角球をレフト前に弾き返す軌道」は福浦さん独特のもので、誰も真似できないと思います。

鶴岡慎也(つるおか・しんや)/1981年4月11日、鹿児島県生まれ。樟南高校時代は2度の甲子園に出場。三菱重工横浜硬式野球クラブを経て、2002年ドラフト8巡目で日本ハムに入団。2005年に一軍入りを果たすと、その後、4度のリーグ優勝に貢献。2014年にFAでソフトバンクに移籍。2014、15年と連続日本一を達成。2017年オフに再取得したFAで日本ハムに復帰。2021年オフに日本ハムを退団した。

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