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侍ジャパン強化試合で明らかになった「栗山野球」の全貌。目指すべき戦いから見えてきた選出すべき選手は? (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Sankei Visual

 前述の牧は、日本ハム、巨人戦では2試合続けて3番に据えたが、豪州との2試合は5番に入れ、3番には山田哲人を入れた。

「招集前から決めていた」と栗山監督が語った村上宗隆(ヤクルト)を4番確定とするなら、その前後は誰がいいのか......そんなこだわりを示しているようだった。

「打てない時もある。ただ、あっさり凡退するのは避けたい。"死にイニング"をつくりたくない」と栗山監督は言う。

"死にイニング"とは独特の表現だが、無抵抗に何もせずにイニングを消費したくないということか。個々の打者の能力は当然として、どの打順ならつながりがいいのかを探る。

 西川龍馬(広島)の使い方も同様だった。巨人戦では6番、豪州との初戦は2番、そして2戦目は再び6番と、どちらのほうがしっくりくるかと同時に、前後の打者が西川とどうつながり、波及効果を生み出すのか。その感触を確かめるような起用法に感じた。

 結果だけを見れば、牧は3番、西川は6番のほうがよかったが、これが栗山監督の求めている答えとは限らない。

 また、周東佑京(ソフトバンク)も"走り屋"としての真価を発揮した。豪州戦の7回に近本の代わりに一塁に立ち、警戒されるなかで2球目に二盗を決めると、山田のレフト前ヒットで二塁から生還。躍動感ある走りとスライディングは、あらためて国際大会でチームに勢いをつけるのに必要不可欠なピースだと実感させられた。

 守備面も輪郭が見えてきた。本来のショートだけでなく、セカンドもこなした中野拓夢(阪神)は、攻撃的な姿勢が栗山監督に高く評価された。守備を重視するなら源田壮亮(西武)、攻撃的な打線を組む場合は中野。そんな使い分けを想定していると考えられる。

 そして3月の本戦にはメジャー組の参加も予定されている。大谷翔平(エンゼルス)は投手で起用されるかどうかは不明だが、打者なら指名打者での起用が濃厚だ。ここに鈴木誠也(カブス)も加われば、クリーンアップも様相も変わってくる。

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