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ゴールデングラブ賞7回の名手・飯田哲也が「これぞプロ」「なんでこの打球が捕れるの」と唸った5人の名外野手 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

ポジショニングの達人

秋山翔吾(西武→フィリーズ→広島/ゴールデングラブ賞6回)

 秋山選手は、私がソフトバンクのコーチ時代に相手チームの選手として見ていましたが、「これはヤバイな」という守備を何度も披露していました。味方の打者が打った瞬間「よし、抜けた」と思った打球も、秋山選手のミットに収まっている。ポジショニングがすばらしく、打球への反応がいいから追いつけるのだと思います。

 球際に強く、ダイビングキャッチやスライディングキャッチといったプレーもありますが、私としては難しい打球を簡単に捕る印象があります。こういう選手が外野を守っていると、ピッチャーとしてはものすごく助かると思います。

 飛球を捕ってアウトにする「刺殺」が、2014年290、2015年341、2016年301と、3年連続リーグ最多でした。つまり、ポジショニングの正確さ、守備範囲の広さを証明する数字です。

福留孝介(中日→カブスなど→阪神→中日/ゴールデングラブ賞5回)

 福留選手はもともと遊撃手だったので、外野手に転向してもすぐうまくなりました。冒頭で話したように、試合状況や相手打者の状態を考えながら守っているのがものすごく伝わってくる外野手でした。ポジショニングに関しては「これぞプロ」の領域でしたね。

 ある左打者に聞いたのですが、ライトを守る福留選手が最初は視界に入っていなかったのに、どんどん目に入ってくることがあったそうなんです。ピッチャーの配球、バッターのスイング軌道を見ながら、1球ごとにポジションを変えていたということです。

 また、外野フェンス直撃の打球を捕球すると見せかけて、走者のスタートを遅らせる「フェイク」もやっていました。守備に自信があるからこそできることで、常に考えながら守っている選手でしたね。

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