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ゴールデングラブ賞7回の名手・飯田哲也が「これぞプロ」「なんでこの打球が捕れるの」と唸った5人の名外野手 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

現役時代、ゴールデングラブ賞を7回獲得した高橋由伸氏(写真右)現役時代、ゴールデングラブ賞を7回獲得した高橋由伸氏(写真右)この記事に関連する写真を見る

内野手顔負けの捕球からの素早さ

高橋由伸(巨人/ゴールデングラブ賞7回)

 まず一番に挙げたのが、高橋選手です。高橋選手は「強肩」「安心感がある」「球際に強い」など、名外野手の要素を兼備しています。そして捕ってからの早さは、私と似たタイプだと思います。実際、高橋選手から「飯田さんの外野守備を参考にさせていただいています」と言ってもらったことがあります。

 そして高橋選手と言えば、ファイト溢れるプレーです。何度もダイビングキャッチをする姿を見ましたが、「大丈夫かな......」と思うことが多々ありました。というのも、高橋選手はプロ2年目の1999年に外野フェンスに激突して鎖骨を骨折。それ以外にもダイビングキャッチが原因でケガをすることが何度かありました。原辰徳監督は高橋選手に「ダイビング禁止」と言い渡したとも聞きました。

 ボールに飛び込む気持ちはわかりますが、彼ほどの選手が故障したらチームにとっては痛手ですし、シングルヒットで抑えられる打球を後逸したら三塁打になってしまう可能性もある。いずれにしてもリスクを大きく伴うプレーですので、個人的にオススメはしませんが、高橋選手の守備力の高さは群を抜いていました。

金城龍彦(横浜→巨人/ゴールデングラブ賞2回)

 金城選手は高校時代(近大附属)の2年夏に、投手として藤井彰人捕手とバッテリーを組み、松井稼頭央選手たちがいたPL学園を下して甲子園出場を果たしました。その後、社会人の住友金属を経て1999年に横浜に入団。

 入団後に本格的に野手に転向し、しかもスイッチヒッターにも挑戦して、プロ2年目の2000年に首位打者と新人王に輝きました。ただ、三塁手としては失策が多く、2001年から俊足と強肩を生かして外野手に転向しました。

「投手→三塁→外野」のコンバートは、「捕手→二塁→外野」の私とどこか似ています。そうしたこともあって、金城選手のプレーは注目していました。

 金城選手は「打球判断」「スタート」「球際の強さ」など、身体能力の高さを感じます。打球を落下地点まで一直線に追っていって捕球する。派手さはありませんが、無駄がいっさいなく「これぞプロ」というプレーでした。

 ゴールデングラブ賞は2005年と2007年の2度だけですが、私のなかでは名外野手でした。

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