「オリックス・山本由伸の異変」を建山義紀が解説。ヤクルトはなぜ投手四冠の絶対エースから4点も奪えたのか (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 打つべき選手が打って、相手の絶対エースを打ち崩し、投手陣もふだんどおりのピッチングを披露した。スワローズにとってこの勝利は、ただの1勝以上の価値があると思います。

 一方、バファローズ打線は「さすが中村悠平」というリードにやられました。うまく裏を突かれましたね。中村捕手は執拗なインコース攻めではなく、球数自体は少ないけれど効果的にインコースを意識させていました。

 そうしてバファローズはチャンスをなかなかモノにできませんでしたが、とくに4打数無安打に終わった杉本裕太郎選手は引きずらないことですね。2戦目からはしっかり打席ごとに対策を持って、「見逃し三振もやむを得ない」というくらい狙い球を絞る。そういう覚悟を持っていかないと、ズルズルいってしまう可能性がある。

 バファローズのラインナップで考えると、3番の中川圭太選手は好調で、4番の吉田正尚選手は冷静にボールを見極められます。となれば、5番の働きはものすごく大事になってきます。おそらく杉本選手はクライマックスシリーズで復調し、5番に抜擢されたと思います。

 杉本選手の調子が上がってくればいいですが、対応力のある西野真弘選手を5番に抜擢するのもひとつの策かなと思います。1戦目を見ると、5番が大きなポイントになりそうな気がします。2戦目のラインナップが非常に楽しみですね。

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