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野村克也と落合博満が交流戦中に行なっていた極秘会談「なんでワシと話したがるんや?」「ノムさんしか野球をわかる人いないじゃない」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

 一方、落合監督も守備には厳しかった。就任1年目のキャンプでは自らノックバットを握り、選手たちを鍛え上げました。通常、キャンプは15時くらいまでグラウンドで練習して、そこで切り上げたり、ウエイトトレーニングをしたりするのですが、真っ暗になるまで守備練習をやっていました。当時の野手は、本当にきつかったと思います。

 その甲斐あって、2004年はすでにレギュラーだった荒木雅博(二塁)、井端弘和(遊撃)の「アライバ」コンビをはじめ、川上憲伸(投手)、渡辺博幸(一塁)、英智、アレックス・オチョア(ともに外野)の6人がゴールデングラブ賞を獲得。

 またこの年、138試合で守備機会5186のうち失策はわずか45。チーム守備率.991という鉄壁の守備陣を誇り、落合監督就任1年目にしてリーグ優勝を成し遂げました。

 ちなみに2004年の巨人は、プロ野球記録となるチーム本塁打259本を放ちながら、3位でした。

対照的だった練習法

 野村さんがヤクルトの監督に就任した時、「どんな練習をするのだろう?」「とにかく走らされるんじゃないか......」など、選手たちは戦々恐々としていました。ところが、いざキャンプが始まると、すごく合理的かつ効率的でした。このことについて、野村さんはこんなことを言っていました。

「走ってうまくなるんなら、みんな野球がうまくなっているよ。もっと頭を使え。野球は頭でするもんや!」

 じつはこれには後日談があって、落合さんは野村さんにこう言ったそうです。

「ノムさんが『頭を使え。野球は頭でするもんや』と言うから、選手たちに練習しない風潮ができてしまった。でもオレは、練習させるよ」

 当初は、野村さんが猛練習をさせるタイプで、落合さんは合理的なタイプのイメージを持っていたのですが、真逆でした(笑)。

 目指す野球は同じなのに、そこまでのアプローチがまったく違う。そう言えば、マスコミへの対応も正反対でした。

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