石毛宏典が「秋山翔吾は西武に必要だった」と語る2つの理由。広島とはチームカラーも合致で「3割くらいは打つ」 (3ページ目)
石毛が考えるセ・リーグの広島を選んだ理由
――そうなると、やはり広島の3年契約は魅力のひとつだった?
石毛 そうですね。ベテランになると、いろいろ故障が出てくるんですよ。3年やっても年間170本くらいは打たなきゃいけないし、4年やれるとしても年間130本は必要なので、けっこう微妙な数字ではあります。ただ、広島は3年契約を提示したことで、獲得のための「第1条件」をクリアしましたよね。
また、広島のチームカラーと秋山が合致したことも大きかったと思うんです。秋山はすごく野球を大事にして、技術を追求していく選手。「もう、今日はどうでもいいや」とヤケになるタイプでもない。もっとうまくなりたいという向上心、向学心を持っている野球人なんです。
広島は、たたき上げて、鍛え上げて選手を育成し、そういう選手たちでチームを編成していくのがチームカラーです。そんなチームと、秋山の人間性や野球に対する向き合い方が合致したんだと思いますし、鈴木清明球団本部長のプレゼンテーションも秋山の心に響いたんでしょう。将来、指導者になる可能性も高いと思いますよ。
――セ・リーグという新しい環境で挑戦したい気持ちもあったようですが、常に挑戦する日々だったアメリカでの体験も影響したでしょうか?
石毛 現在、日本ハムで監督を務めている新庄剛志が、阪神からメッツに行って、メジャーから帰る時に阪神ではなく日本ハムに行きましたよね。その時の新庄もそうだったと思うんですが、残りの現役生活を新しい環境でやってみたいという気持ちはあったと思います。
――現在、広島の外野は西川龍馬選手が不在ですが、上本崇司選手や野間峻祥選手が好調。宇草孔基選手や中村健人選手のほか、ベテランの松山竜平選手、長野久義選手らもいます。秋山選手の加入は競争を生むだけでなく、若手のいい見本になりそうですね。
石毛 当然、競争は強いられるでしょうが、秋山にはレギュラーとしてポジションを与えると思います。そうやって使っていかないと、2000本までの残り524本は厳しいので。安打数に関しては難しいかもしれませんが、彼だったらシーズンを通して3割くらいは打つと思いますよ。
――アメリカの投手に適応してきたところで、再び日本の投手のボールにアジャストしていかなければなりません。そのあたりは心配ないですか?
石毛 彼は順応できる技術を持っていますし、大丈夫ですよ。大崩れするような打者ではないので心配ありません。新たな挑戦となるセ・リーグの舞台で、どんなプレーを見せてくれるのか注目したいですね。
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