石毛宏典が「秋山翔吾は西武に必要だった」と語る2つの理由。広島とはチームカラーも合致で「3割くらいは打つ」
パドレス傘下の3Aエルパソを自由契約となっていた秋山翔吾。古巣の西武、ソフトバンク、広島の三つ巴となっていた争奪戦を制したのは広島だった。西武で長年チームリーダーを務めた石毛宏典氏は今回の決断をどう見たのか。秋山がメジャーで活躍できなかった要因、広島との相性なども併せて聞いた。
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――秋山選手がメジャーで苦しんだ理由は?
石毛宏典(以下:石毛) 秋山はシーズン最多安打記録(216安打)を持つヒットメーカー。そういう打者は元来、打つポイントが体に近いんです。彼は何度か「プレミア12」や「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」といった国際大会に出ていますよね。アメリカ、中南米の投手は球が速い上にボールが動くのが当たり前ですが、そうしたボールに対応するために、「ポイントを近くする」というのが、日本人の大体の考え方なんです。
WBCだったと思うんですが、秋山をはじめ、坂本勇人だとか何人かの打者が集まって、「結局バットの軌道って、やや下から上の感覚だよね」と話していたんです。ボールを上からたたく場合はポイントが前にいくんですが、彼らが話していたような感覚だと、ポイントを近くしようとした時にバットがボールの下を潜るような軌道になり、最短距離でバットが出なくなるんです。
それで、速いボールにも動くボールにも対応できなくなってしまい、打率も伸びずに長打も打てなかった。秋山のメジャーでのバッティングを見ていると、特にそういう傾向を感じましたね。
――動くボールに対するバッティングについて、秋山選手と話したことは?
石毛 深く話したわけではありませんが、国際大会から帰ってきたあとの試合で彼がなかなか結果を出せない時期に、「バットが潜るような感覚になってしまってないか?」と聞いたら、「そのとおりです」と言っていましたから、やっぱりそうだったんだなと。
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